ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第15話:1977年別府 広島から古典気動車を求めて!(その2)

今回は1977年の別府鉄道です。相変わらず画像が不鮮明で申し訳ございません。

中学1年の夏休みに初めて出会った別府鉄道でしたが、もっと実態を知りたくて、1年後の中学2年の夏休みにも現地を訪れました。その時は東京の親戚の家から自宅の広島に戻る途中で立ち寄ったわけですが、旅費を浮かせるため新幹線には乗らず、東京から14系客車の夜行急行「銀河51号」で大阪へ、大阪から阪急、山陽電鉄を乗り継いで別府に出向きました。

 

1.“ベフピンク”が強烈なキハ3 (別府港:1977年8月)

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その日は、土山の混合列車ハフ7に乗ることが目的でした。その前に機関区を少し覗いて、キハ2、キハ3、ハフ5の昼寝を確認。キハ101は野口線の運用に就いていたようで不在でした。キハ3は再塗装したのか“ベフピンク”が昨年より一段と鮮やかでした。

 

2.またもや検査中のキハ2 (別府港:1977年8月)

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どうもキハ2とは相性がよろしくありません。昨年に続き、この時もキハ2は検査中で、二打席連続の空振り三振でした。なかなかまともな写真が撮れません。でも、しっかりと整備されていたので一安心。また来よう!!

 

3.元江若コンビDD1351とDC301 (別府港:1977年8月)

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別府には当時機関車が4両在籍しており、貨物量に応じて使い分けされていました。写真の庫内左側の機関車は別府では一番大型で、国鉄DD13タイプのDD1351(注1)です。庫内右側の機関車は機械式ロッド駆動の古典DLだった入換用のDC301(注2)です。この2両は元江若鉄道の車両で、DD1351は江若廃止後の1970年に、DC301は1964年に別府にやって来たものです。まさかここで江若の生き残りと対面するとは思いませんでした。

DD1351は55tクラスのかなり大型ですが、当時の別府はこの機関車を導入するほどの貨物輸送がありました。貨物を野口線、国鉄高砂線経由で国鉄が計画していた東加古川操車場まで直接乗り入れて輸送する目論見がありましたが、結局実現しませんでした。

(注1)DD1351の車歴:別府DD1351←江若DD1351:1957年汽車会社製

(注2)DC301の車歴:別府DC301←江若DC301:1952年三菱三原製作所製

 

 4.まさかの初代キハ2 (別府港:1977年8月)

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この時は庫内も見学させてもらい、庫内の奥にとんでもないモノを発見しました。それが写真の初代キハ2(注3)です。ストロボもないインスタントカメラで限界の撮影となりました。この車両は別府鉄道が野口線のフリークエントサービスを目的に2両導入した2軸ガソリンカーの1両です。ところがキハ2は1959年にトラックとの衝突事故に遭遇。脱線転覆し多数の負傷者が出たそうで、当然キハ2も破損。復旧まで時間が掛かるため、急遽三岐からキハ3を導入することになりました。その後キハ2は復旧して職場復帰しますが、ボギー車で大型のキハ3は乗り心地も使い勝手も良かったことから、以降キハ2は予備車となりました。1965年に三岐から2代目キハ2が導入されると、入れ替わりで廃車となりましたが、廃車後もひっそりと庫内に保管されていました。しかし、非常に貴重な車両でしたが、残念ながら廃止後に解体されたようです。

(注3)初代キハ2の車歴:別府キハ2←別府レカ2:1934年日本車輌

 

5.当時野口線の主力キハ101と土山線の主力?ハフ7 (別府港:1977年8月)

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機関区の車両を見学している間に、野口線のキハ101が戻って来ました。キハ101は岡山の同和鉱業片上鉄道から1974年に購入したもので、元は国鉄のキハ41000系です。この車両も元は機械式でしたが、片上でトルコン化されており、調子も良かった様で、別府に導入されてからは、キハ2、キハ3が予備車的存在になってしまいました。導入当時は片上時代のままのスタイルで使用されていましたが、その後車体裾部分をステップの下端まで外板を延長する意味不明な改造を行いました。別府では唯一のトルコン付き気動車でしたが、総括運転する相手がいないので“宝の持ち腐れ”でした。しかし主力なので廃止までしっかり働き、廃止後は地元の公園で保存されましたが、雨ざらしのため朽ちてしまい、解体されました。

 

6.なかなかまともな写真が撮れないキハ2 (別府港:1977年8月)

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午後になるとキハ2は検査を終えて庫内から頭を出しました。もっと出て来るかと思いきや、手前に機関車が鎮座しており、これ以上は出てきませんでした。