ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第47話 1985年紀州 和歌山の小私鉄(その2)

紀州鉄道を見るために、せっかく御坊まで来ましたが、あっと言う間に全線完乗。しかも来る列車はすべてキハ604。1時間も居れば飽きてしまい、間が持ちません。

 

1.御坊駅に入線するキハ604 (御坊:1985年12月)

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 この日は終日キハ604が運用に入っていました。乗客はさほど乗っていませんが列車本数は非常に多く、紀勢本線のほとんどの列車に接続しており、御坊~紀伊御坊間の列車はJTBの時刻表にも載せきれないほどです。

 

2.御坊市街地を行くキハ604 紀伊御坊~市役所前:1985年12月)

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御坊の街は紀勢本線から少し離れた場所にあり、ゆえに紀州鉄道が鉄道をなりわいとしているわけです。市街地では線路が住宅密集地を貫いており、まともに走行写真が撮れる場所はほとんどありません。キハ600形が民家の軒先を走るこの光景は、2009年まで続きました。

 

3.キハ603紀伊御坊:1985年12月)

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この日はキハ603が休暇でした。 

キハ600形(注1)は2両が大分交通耶馬渓線からやってきました。車号も塗装色も大分時代のままで使用開始しました。キハ600形は製造時、国鉄キハ10系気動車を模して製造されたものですが、前面非貫通2枚窓で非総括制御でした。大分交通には国東線にもほぼ同形のキハ601、602(東急車輛製)がいました。

(注1)キハ600形の車歴:紀州キハ600形(キハ603、604)←大分交通キハ600形(キハ603、604):1960年新潟鐵工所

 

4.キハ603紀伊御坊:1985年12月)

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この当時の紀州鉄道は列車本数は多いものの、所要時間が短いので1両がピストン運転で十分でした。よって普段は2両あれば何とかやり繰りできますが、長期の車両検査を考えると3両は必要です。ところで、キハ603の後ろの派手な色の車両が気になります。

 

5.どこかで見た車両!!キハ1003 紀伊御坊:1985年12月)

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逆光写真で申し訳ございません。

この車両はまぎれもなく、1978年に岡山臨港で乗ったキハ1003です。どうしてここに?。岡山臨港は1984年に廃止となりましたが、廃止直前にキハ1003を紀州鉄道が予備車として購入していました。まさかこんなところで再会するとは思いませんでしたが、この車両は機械式で、いまさらなぜこのような旧態然とした車両を購入したのか、全く不可解でした。ところで、このキハ1003はこのあと整形手術を受けて変身しますが、その後の動向は更に不可解でした。

この日は謎の転入車に疑問を抱いて、次の目的地に移動しました。