ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第70話 1986年鹿島 北海道の帰り道(その5)

1986年当時、鹿島鉄道には元国鉄キハ41000形を前身とする車両が辛うじて存在しました。ただし、2連化されて前面も2枚窓化されており、希少価値が半減です。

 

1.キハ411+キハ412 (石岡:1986年3月)

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国鉄キハ41000形であるキハ410形(注1)は、この年に廃車されました。老朽化した車両でしたが、片運2連だったので運用上の使い勝手が悪かったようです。

 

2.キハ411+キハ412 (石岡:1986年3月)

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この前面2枚窓は、新潟交通のクハ37とそっくりです。あちらは電車ですが種車は同じく元国鉄キハ41000形です。(このブログの第4話をご参照下さい。)

(注1)キハ410形の車歴

・鹿島キハ411←関東キハ411←関東キハ41005←常総筑波キハ41005←国鉄キハ0410←国鉄キハ41309←国鉄キハ41209←国鉄キハ41077:1934年新潟鐵工所

・鹿島キハ412←関東キハ412←関東キハ41006←常総筑波キハ41006←国鉄キハ0424←国鉄キハ41323←国鉄キハ41504←国鉄キハ41050:1933年日本車輌

キハ410形となった元国鉄キハ41000形2両はいずれも製造時はガソリン動車でした。国鉄時代に、代燃化、ディーゼル化を経て、国鉄廃車後の1959年に当時の常総筑波鉄道が譲受し、常総線に配属されました。その後、1965年に2両とも鉾田線に転属となり、1972年に片運化、トルコン化されてキハ410形となり2連化されました。

 

3.キハ411、DD901 (石岡:1986年3月)

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この日、庫内にいたDD901が出てきたので、キハ411とのこんなツーショットが撮れました。薄日も射し、わざわざ北海道の帰りに立ち寄った甲斐がありました。 

 

4.DD901 (石岡:1986年3月)

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 DD901(注2)は、1955年に日本車輌が試作した液体式ディーゼル機関車で、製造当初は国鉄に貸し出されて国鉄DD421を名乗った時期がありました。その頃国鉄は次期液体式ディーゼル機関車を模索しており、車両メーカーが競って試作した車両を試験採用していました。この車両もそのうちの1両でしたが、その後1958年に一旦日本車輌に戻りました。それを同年に常総筑波鉄道が購入し、常総線で使用後、1974年に鉾田線に転籍しました。

(注2)DD901の車歴:鹿島DD901←関東DD901←常総筑波DD901←国鉄DD421:1955年日本車輌

 

5.DD901 (石岡:1986年3月)

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 DD901は、創成期の液体式ディーゼル機関車だったので、国鉄もおっかなビックリで試験的に採用したものと思われますが、メーカーに返却されたと言うことは、恐らくそれなりの結果だったのでしょうか。結局、関東鉄道時代にエンジンとトルコンは一式総取り換えされて、国鉄DD13並の性能となりましたが、足まわりは何とも古風なロッド駆動のままでした。

鹿島では足早に撮影を済ませ、次は筑波鉄道に移動です。