ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第101話 番外編(その2)

続いて模型の話題です。もう少しお付き合いください。

 

1.太平洋炭鉱10号機

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 10号機はもっともポピュラーな車両でした。そして実車が現在も北海道の三笠鉄道村で保存されています。18年前に三笠鉄道村実車を拝むことができました。

この10号機は、結構正確な車体寸法を把握できたのでほぼスケール通りに出来上がりました。少々難点なのはボンネットの紅白の前照灯オーバースケールであることです。

 

2.太平洋炭鉱10号機と鉱車の編成

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機関車だけでは物足りないので2t積鉱車を2両製作しました。この鉱車も真鍮製で人車と共通のボギー台車を履いています。本物はこのタイプのボギー式鉱車を10両ほど連ねていました。

 

3.三笠鉄道村で保存された太平洋炭鉱10号機 (2000年8月撮影)

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写真は三笠鉄道村で保存された実物の太平洋炭鉱10号機です。陽の向きの都合で後面からの撮影となりました。太平洋炭鉱は複線ループの線形だったので、機関車は一方向にしか走らず、後面には鉱車との自動連結装置が付いていたので模型でも再現してみました。

 

4.太平洋炭鉱構内入換機

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なんとも形容しがたい強烈な車両です。

この車両は鉄道誌の写真から見た目で製作したL 形4t機ですが、スケール通りではキャブにモーターが入り切らず、仕方なく設計変更してオーバースケールとなりました。車体幅は12㎜、特徴あるパンタの櫓は洋白のアングルと帯板で半田組みしました。接写に耐えられるかどうかは、とにかく直角度と平行度の正確さに尽きます。野生の感覚と言うか手先の感覚と言うのか、今となっては真似ができません。

 

5.太平洋炭鉱構内入換機

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 2軸駆動としたため、ギヤピッチの都合でホイールベースと台車枠の軸受間隔が合っていません。当時はこれが精一杯でした。

車体色ですが、当時の白黒写真ではかなり煤けた状態で色の判別がつかず、凸型機に合わせて黒塗りとしましたが、実車は意外にも台車枠が黄色、キャブ上回りとパンタの櫓が白色だった様です。本来実際の色に塗り直すべきですが、そのままです。

 

6.筑豊のスライスチーズ明治鉱業平山坑タイプの凸電+鉱車

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さて、この黄色い凸電は福岡県の筑豊炭田にあった明治鉱業平山坑の構外運搬軌道で活躍した車両です。車体の色と薄っぺらい感じがスライスチーズの様で、“筑豊のスライスチーズ”と勝手に名付けましたが、この名称は結構浸透しているようです。

車両番号は手持ちのナンバープレートを張り付けたので実在しない番号となっています。この車両も1/80で模型化したものですが、太平洋炭鉱の模型よりも古い1988年のTMSに掲載させていただきました。

 

7.明治鉱業平山坑タイプの凸電

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この模型も1/80、6.5㎜ゲージですが、車体はプラ板製です。製造から31年がたち、本物ならそろそろ廃車の年齢ですが、まだまだしっかりしています。

実はこの模型は、ずいぶん前に「エコーモデルさん」で展示頂いた時期があり、現物をご覧になった方もいらっしゃるのではないかと思いますが、地震に被災して私の手元に戻って来ました。展示棚から落下したのか、パンタが多少変形しましたが、その他は特に損傷もなく健在です。

ところで、先日ネットを見ていたら、これとそっくりの模型が投稿されていたのでビックリしました。「ワールド工芸さん」からキットが発売された様で、こんなマイナーな車両が製品化されるとは更にビックリです。

最近はこの様な小型車両の動力装置も手軽に購入できるので模型製作の自由度がかなり広がりました。模型化を諦めていた車両もありましたが今なら実現できそうです。再び模型作りに専念したい今日この頃です。しかし時間的な制約と何よりも自身の老化に伴う体力・視力・精神力の低下等々、なかなか厳しい現実です。せいぜいブログで過去を回顧するのが精一杯と言ったところです。