ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第144話 1989年名鉄(揖斐・谷汲) 古き佳き粋な計らい(その2) 

今回は谷汲山華厳寺の初詣輸送で賑わう谷汲線の話題です。

谷汲線は谷汲山華厳寺のために存続していたような路線で、普段は線内折返しの単行しか走りませんが、正月3ヶ日は谷汲山華厳寺の初詣客輸送で大変混雑しており、日中は臨時ダイヤで谷汲線の列車は2連となり、多くが揖斐線や市内線岐阜駅前まで直通運転されました。

 

1.モ704+ク2327(更地:1989年1月)

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この日は天気が良かったので更地駅で下車し、谷汲方面へ歩きながら撮影をしました。この日の谷汲線は、臨時ダイヤで列車本数が多く、効率よく撮影できました。 

 

2.モ703+ク2326(更地~北野畑:1989年1月)

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 一つ懸念は、新車モ770形の導入で、旧型車の運用が減ってしまったのではないかと思っていましたが、意外にも谷汲線は終日旧型車のみの運用でした。

 

3.モ703+ク2326(更地~北野畑:1989年1月)

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 1985年12月に谷汲線を訪問した際にもこの辺りで撮影しましたが、その時はまだ工事中だった画面右の道路が完成していました。立派な二車線道路で乗用車が電車を追い越して行きました。

 

4.モ704+ク2327(更地~北野畑:1989年1月)

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 こんな道路が出来てしまうと、谷汲線は太刀打ちできません。しかし、立派な道路も交通量はしれています。最大の問題は過疎化です。

 

5.モ513+モ514(北野畑~赤石:1989年1月)

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 再びモ510形の2連がやって来ました。

モ510形の旧塗装復活は、鉄道友の会エバーグリーン賞を受賞したことによるものでした。これをきっかけに各地で古い車両の動態保存が広がりましたが、なんとなくやらせっぽくて、私が「あまのじゃく」なのか、いまひとつ気が乗れませんでした。

 

6.モ752車内(黒野:1989年1月)

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 突然モ752の車内です。ワンマン化されていたので、ドアの脇に整理券発行機や車内ミラーが興ざめしますが、板張りの床や奇妙な形をした木製の袖仕切りなど、昭和初期の電車そのものでした。