関東鉄道常総線の話題が延々と続きましたが、一応今回で一段落です。今回は、1987年当時の水海道機関区の様子と、最後に機関車の話題です。
当時の水海道は都内から結構遠いところでした。現在はつくばエクスプレスで守谷まで40分程、そこから常総線に乗り換えて10分程ですが、当時は常磐線で取手まで45分、そこから常総線に乗り換えて更に30分も掛かりました。料金も常磐線が600円、常総線も600円で、意外と常総線が高くて交通費がばかになりませんでした。そんなこともあって、なかなか水海道は近寄り難かったです。
1.水海道機関区 (水海道:1987年1月)
今は亡き、水海道機関区の情景です。当然ですが旧型車ばかり写ってます。左端に写る木造2階建ての建物は事務所です。
2.水海道機関区 (水海道:1987年1月)
かつて蒸気機関車時代の給水塔も多目的に現役で使用されていました。右端に写る貨車は貨物用ではなく、複線化工事の際に資材輸送に使用されたものですが、この時点では用途がなく留置されていました。
3.水海道機関区DD502、キハ753 (水海道:1987年1月)
庫には失業中のDD502が保管されていました。地面は廃油で真っ黒でした。天気が悪い日は車庫内を歩くだけで靴が油混じりの泥で大変なことになってしまいます。しかしこれが気動車の車庫の実態です。常に油まみれです。
4.DD502 (水海道:1987年3月)
この日はラッキーにも、DD502が庫の外に出ていました。天気も薄曇りで絶好の形式写真日和です。この機関車は、鹿島のDD901にも共通する点が多い、日車製の初期の液体式機関車です。この時点で貨物輸送もなく失業状態でしたが、保線などにも使用され、新車回送の牽引機にも使用されていました。
5.DD502 (水海道:1987年3月)
DD502(注1)は、常総筑波鉄道が導入した450PSのDMH36S機関を1基搭載したセミセンターキャブ形態の凸型35tクラスで、B-Bロッド駆動の液体式機関車です。1971年に機関とトルコンを載せ替えていますが、形態的には変化はありません。
(注1)DD502の車歴
6.DD502 (水海道:1987年3月)
DD502は、令和時代のこの世に及んで、何と現在も常総線に存在しています。筑波のDD501や鹿島のDD901亡きあと、日車製液体式機関車黎明期の生き残りとして貴重な存在です。
今回の関東鉄道常総線シリーズは、1984年の初訪問だった第58,59話のおさらい的な内容でしたが、この後、常総線は激変します。そういう意味でこのシリーズは、当時の常総線旧型車両の最後のまとまった報告になるものと思います。
ところで、関東鉄道といえば、もう1路線忘れてはならない龍ヶ崎線があります。ミニ路線なのでうっかり忘れるところでしたが、次回は龍ヶ崎線です。