ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第260話 1989年三井三池:大牟田に潜む記念物級(その2)

三池港には、2軸の凸型22t機以外にもB-Bボギータイプの凸型45t機なども留置されていました。

 

1.22t8号機、45t19号機ほか (三池港:1989年9月)

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貨物が減って、余剰となった機関車が構内のあちこちに留置されていました。

見た感じ塗装が退色してピンク色になった機関車は使用されていない様子です。

 

2.22t8号機、45t19号機 (三池港:1989年9月)

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 この日お目当てだった、ここで一番古いGE製の2軸L型15t機が見当たりませんでした。機関車だけでも25両ほど保有されていたので、恐らく建屋の中にも機関車が保管されていたと思われます。

 

3.22t3号機+ハト86 (三池港:1989年9月)

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 凸型22t機(注1)も16両保有されていましたが、休車となりすでに廃車同然となっているものも散見されました。この凸型22t機は最初に導入された1~4号機がシーメンス製ですが、以降はそれを模した国産品で、11~16号機は直営工場製です。さすがに炭鉱なので掘削機械などの電機品はお手の物だった様で、この程度の機関車なら自前でなんとでもなったようです。

(注1)凸型22t機の車歴

・三池1~4:1911年ドイツ・シーメンス

・三池5~10:1915年三菱電機

・三池11,12:1917年三池製作所製

・三池13:1928年三池製作所

・三池14~16:1934年三池製作所製

なお、これらの機関車は長年にわたり結構改造もされていました。外観上もっとも大掛かりだった改造は車体の拡幅だと思います。この他に車輪径変更、貫通制動化、集電装置の変更などなど、当初は自重20tでしたが、これらの改造で22tとなりました。 

 

4.45t22号機の牽く運炭列車 (三池港:1989年9月)

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  凸型45t機(注2)は、主に運炭列車や重量貨物用でした。17号機~22号機まで6両在籍していましたが、自社発注車の他に南海や西鉄からの譲渡車も混ざっています。

 

5.45t22号機の牽く運炭列車 (三池港:1989年9月).

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45t機は全て東芝製で、いわゆる東芝標準型でした。

 (注1)凸型45t機の車歴

・三池17:1936年東芝

・三池18,19:1937年東芝

・三池20←南海ED5154:1949年東芝

・三池21:1949年東芝

・三池22←西鉄201:1949年東芝

 

6.45t18号機の牽く運炭列車 (三池港:1989年9月)

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 この頃の運炭列車は、ほとんどが線内輸送で、三池港の近隣にある火力発電所への燃料輸送が主体だったようです。