ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第261話 1989年三井三池:大牟田に潜む記念物級(その3)

三池港の構内はとにかく広く、いたるところに分岐線が延びており全容が把握できませんでした。

 

1.20t2号機、14号機、7号機 (三池港:1989年9月)

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 そして、その構内の北側の外れに3両の22t機が留置されていました。まるで模型の様です。

 

2.20t2号機 (三池港:1989年9月)

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 2号機はシーメンス製の本物です。この車両は塗装の退色も少なく、普段は稼働している感じです。

 

3.20t2号機 (三池港:1989年9月)

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 側面は更に模型の様です。

 

4.20t14号機 (三池港:1989年9月)

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 14号機は三池製作所製です。集電装置がZパンタでした。元々はシーメンス製のローラー式パンタだったと思われますが、このZパンタは、当時のパンタグラフに変更される前のものと思われます。

 

5.20t7号機 (三池港:1989年9月)

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 7号機は三菱電機製です。

 

6.ホハ200形客車の廃車体 (三池港:1989年9月)

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 三池港の構内最北端に、旅客輸送を行っていた頃の客車が1両放置されていました。

この車両はホハ200形(注3)という20m級3段窓の4ドア車で、国鉄の63形を転用した様な車両ですが、自社発注車です。三池鉄道にはホハ200形とコハ100形の2種類の客車が在籍し、電気機関車が牽引する客車列車で運行されていました。

(注3)ホハ200形の車歴

・三池ホハ202~204:1950年日本車輌

 

7.20年前のHO作品:三井三池 20t32号機

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 最後は模型です。

これは20年前に発売されたアダチの1/80HOキットを組み立てたものです。この32号機は廃車が早かったので現物写真は残念ながらありません。一見して22t機の様ですが、このタイプは15t機からの改造で車体幅も狭く、ボンネットとキャブの幅が同じです。同タイプの31号機と共に旅客列車の牽引機として専従していましたが、旅客列車廃止後に32号機が廃車され、31号機は残りましたが、1989年の訪問時には見ることができませんでした。

 

以上が1989年9月の状況ですが、この後、三池炭鉱には1993年にも再訪問しました。その時は三川坑の土場も整理されて、ナローの構外軌道もなくなっており、三池炭鉱の終焉を感じました。その時の様子は改めて報告します。