ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第300話 番外編:趣味の原点

当ブログは今回300回の節目を迎えました。ここまで続くとは思いませんでしたが、微力ではありますが、これからも続きますので宜しくお願い致します。
さて、節目だった100回目、200回目は、番外編として通常とは趣の異なる内容を投稿しましたが、今回も番外編として私の趣味の原点について少々お付き合い願います。

以前にも話題に触れましたが、私の趣味はもともと鉄道模型作りでした。その原点は小学生時代にまで遡ります。

ご年配のモデラ―の方ならご存知かと思いますが、機芸出版社の「変わった車輛30題」という鉄道模型誌がすべての始まりでした。

 

1.「変わった車輛30題」の表紙

f:id:kk-kiyo:20191109162120j:plain

その「変わった車輛30題」で特に衝撃を受けたのが、中村福男さんの「岸和田軽便鉄道」の偉大なるゲテモノ車両、高井薫平さんの「なめとこ軽便鉄道」のひょっとこ単端、和久田恵一さんのミニ凸電などでした。

 

2.「変わった車輛30題」の岸和田軽便鉄道の記事

f:id:kk-kiyo:20191109162225j:plain

機芸出版さん申し訳ございませんが、古い書籍なのでお持ちでない方も多いと思いますので、記事を転載させて頂きました。
 この記事に刺激され、岸和田軽便鉄道のM-2号貨物電車(この記事の右上の得体の知れない車両)を中学1年の時に真似て造ったのが、私の鉄道模型デビュー作だったと思いますが、残念ながら当時の作品は現存しません。

それ以来、ワークカーやレールカーにのめり込んでしまい、やがて軽便車両や炭鉱の小型電機へと模型製作のバリエーションが広がりました。

「変わった車輛30題」の時代は、まだスクラッチビルドの時代でした。現在のように軽便模型の既製品はほとんどなく、流用できるパーツもなく、素材や工具すらほとんどなかった時代で、なにより現在のようなネット社会ではなく、参考図書や情報など皆無だったはずです。なにをするにも手間暇かけなければならず、苦労が絶えなかった時代でしたが、その分、スケールにとらわれない発想の自由度や夢がありました。

その頃のモデラ―の方々は趣味の域を超えて、皆さん職人の域に達していらっしゃったのでは・・・。

そんな職人さんに憧れて、作ったのが以下の作品でした。

 

3.プライベート・ワークカー(冬バージョン)

f:id:kk-kiyo:20191109153305j:plain

このワークカーは、今から40数年前の中学1年の時の作品です。
一応想定ではガソリンエンジンを付けた一人乗り!自家用作業車と言ったところです。1/80HOのサイズで、9㎜ゲージですが、全長4㎝足らずです。この車両はプロトタイプはなく全くのフリーです。欲張って着脱式の雪掻き付きですが、実物だったら、この軽トラモドキで果たして除雪の用を成すのかわかりません?

 

4.プライベート・ワークカー(夏バージョン).

f:id:kk-kiyo:20191109153352j:plain

雪掻きを外すとこんな感じです。未熟な造作ですが、ほど良い老朽化ぶりです。車体はペーパーとプラ板のハイブリッド?で、40年以上放置していたので、かなりくたびれています。荷台屋根のキャンバスもボロボロです。

 

5.プライベート・ワークカー(商売道具満載のリア部)

f:id:kk-kiyo:20191109153429j:plain

後部にはアームが旋回する作業灯も付いています。走行中に旋回して建築限界を突破しないよう要注意です。意味不明な機材がいっぱい載っていますが、まともな作業具は何一つ載っていません。ドラムに巻かれた電線?やとぐろを巻いた太いホースは何のためなのか作った本人もわかりません。

昔よく近所に出没した工務店の軽トラ(移動作業車)がモデルです。時の流れか、欠落した部品もありますが、何が付いていたのか記憶もありません。

さすがに中学1年生の作品なので、幼稚っぽい出来で非動力ですが、機会があったら、こいつをしっかりトレースして、金属製で動力化してみようと思います。

 

6.なめとこ風単端

f:id:kk-kiyo:20191109153635j:plain

 これは完全に「なめとこ軽便」のパクリですが、高校1年の時の作品で、サイズは1/80の9㎜ゲージ。車体色は当社標準色、車体はプラ板製です。

側窓はガラスも入っていませんが、なぜか前面窓だけガラス入りの回転窓になっています。台車は「だるまや」のパーツ。モーターは模型界で一世を風靡したキャラメルモーターです。このモーターは急発進・急停車・高速回転の三拍子揃った少々難ありでしたが、当時はこれしかなかったと言うのが本音です。それでも小型で低価格が魅力でした。

 

7.真面目な " ひょっとこ単端 "

f:id:kk-kiyo:20191109153954j:plain

鉄道ファン誌に連載された、湯口徹さんの「レールバスものがたり」に刺激を受けて、大学1年の時にスケールでチャレンジした真面目な " ひょっとこ単端 " です。この作品もサイズは1/80の9㎜ゲージ。プラ板製で、足回りは前作の単端と同じ構成です。この作品のこだわりは、日車製単端の優美な曲線です。前作の「なめとこ風単端」の経験を活かし、野性的感覚でプラ板の曲げ加工や削り出しに専念しましたが、この車両を製作した頃は瞬間接着剤が普及し始めた頃でこの様な工作も楽になりました。Aフォードのボンネットもそれらしくでっち上げました。ドアの手すりと取っ手がまだ付いていません。よって未完成です。

 

8.ラテン系グースモドキ

f:id:kk-kiyo:20191109154239j:plain

 根室拓殖鉄道の銀龍号だったか?何かで見た海外のレールカーだったか?全く記憶がありませんが、何を思ったのか、こんなレールカーの模型も作っていました。造作のせいか塗装のせいか、おもちゃっぽくなってしまいました。

車体はプラ板製ですが、客室の腰板は筋目入りのアルミ箔を貼り付けています。少々塗装が剥げて地金が見えています。たしか根室拓殖のかもめ号はジュラルミン製だったかと思いますが、それを意識したのかも?

キャブの屋根上は荷台です。客室の妻窓から荷物を載せる構想です。

キャブ両サイドの三角形の小窓がいかにも手抜きっぽく、ヒステリックな表情ですが、ここに外開きの開閉窓を付ける予定でした。要は未完成です。

ちなみにこの車両はキャブと客室が独立しており、それぞれ外すことが出来ます。飽きたら載せ替えるつもりでしたが、もう40年近くこのままです。