ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第301話 番外編:趣味の原点(その2)

今回も番外編の続きです。

レールカーに続き、興味を持ったのが炭鉱の小型電機でした。これは、私が中学生時代に入手した、毎日新聞社の「軽便鉄道 郷愁の軌跡」という鉄道誌に掲載された明治鉱業平山坑の記事がきっかけでした。

当ブログ第101話で、TMSのコンペに出展した明治鉱業平山坑のスライスチーズについて若干触れましたが、実はそのスライスチーズより以前にも、全くのフリーで似たような凸電を製作していましたのでご紹介します。

 

1.炭鉱凸電のフリーモデル

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 この作品は、40年ほど前の高校2年生の時に作った作品です。

この凸電を製作した頃私は広島に住んでいましたが、当時広島には、「広島模型」という今は亡き広島では唯一の鉄道模型専門店がありました。そこの在庫処分で購入したLIMAのNゲージ用モーターを、なにげに手持ちの乗工社の運材台車に合体してみたら調子よく走ったので、これは凸電しかないだろうと、発作的に作ってしまった凸電です。ところで、この凸電が広島模型の店員さんにバカうけし、鉄道模型のコンペにでも出展したらどうかという話になり、ちょうど作品を募集していた、鉄模連の第1回作品展に冗談で応募したら佳作に入選してしまったという、いわく有りの車両です。1981年の「とれいん 8月号:No.80」、「TMS 9月号:No.406」にちょっとだけ写真が掲載されています。

 

2.炭鉱凸電のフリーモデル

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 この凸電は車体がプラ板製でゲージは9㎜です。最大車高6㎝程で、正露丸の箱にスッポリ入る大きさです。足回りは先に述べた乗工社の運材台車で、モーターとパンタがLIMAのNゲージ用です。パンタの櫓と折畳み式のフェンダーは真鍮線、メッシュ等を半田で組みました。そして前照灯は進行方向が点灯します。製作当時はまだLEDが入手できず、麦球です。

この凸電を明鉱平山にしなかった理由は、車体を動力装置に合わせて作ったためです。製作後、明鉱平山モドキと思われないようにフェンダーを追加しましたが、やはり黄色に塗ると明鉱平山モドキです。

この凸電に味を占めて、もう1両、運材台車流用の凸電を製作しましたが、そちらは地震で落下事故に遭い現在大破のまま眠っています。

 

3.スケール製作の明鉱平山のスライスチーズ

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ちなみに第101話でご紹介したスケール製作の明鉱平山です。この作品を作った頃はスケールにこだわり始めたころです。今思うと、私の原点である「変わった車輛30題」から志向がズレてきた感じがしますが・・・・。

 

4.三井三池炭鉱三川鉱のL電

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 このL電は半スケール?の作品です。この作品もTMSコンペに出展したものですが、明鉱平山のスライスチーズよりも古い1985年の製作です。

動力装置に乗工社のナロー用パワートラックを流用した関係で9㎜ゲージですが、この作品を製作可能にしたのが小型モーターであるキドマイティーⅢの登場でした。なにしろこの車両のキャブが異常に小さく、まともに搭載できるモーターがそれまで入手できませんでした。それでもキドマイティーⅢがそのまま使用できたわけではなく、かなり削って切り詰め、キャブの位置にあわせてパワートラックも後軸とモーター軸の間にアイドラーを追加するなどの細工を施しています。

 

5.幻のL電用パワートラック

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 その後スケール製作がエスカレートし、太平洋炭鉱の凸電の製作に入りましたが、ここで思い切って全軸駆動パワートラックの自作に踏み切りました。

凸電の方は何とかなりましたが、問題はL電でした。写真のパワートラックを自作しましたが、残念ながらモーターがキャブに収まりません。このパワートラックを活かすにはもっと小さいモーターが必要でしたが、当時はキドマイティーⅢより小さいモーターが入手できず、よって、このパワートラックはボツとなり、現在もこのままです。

結局、L電用にモーター位置を後退させて高さを低くしたパワートラックを新規製作し、とりあえずL電を完成させましたが、不本意ながらやはりオーバースケールになってしまいました。

 

6.オーバースケールの太平洋炭鉱6tL電

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しかし、今ならもっと小さいモーターが入手できるので、このお蔵入りして30年になるパワートラックを改修して何かに着手したいところです。

鉄道模型の製作から遠ざかって20年になりますが、そろそろ再開したい今日この頃です。しかし、20年間のブランクは想像以上に深刻で、自身の老化が一番悩ましい状況です。