ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第325話 1990年北陸(石川):ブサイク達の最後の活躍(その2)

鶴来に着いた途端に土砂降りとなりましたが、しばらくすると雨も上がり撮影再開です。

この日、鶴来車庫には元名鉄車が集結していました。

 

1.モハ3741+モハ3743 (鶴来:1990年5月)

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 モハ3740形は元知多鉄道デハ910形を前身とする17m級のクロスシート車です。名鉄時代に一旦はロングシート化され制御車になりましたが、瀬戸線に転じて特急車に使用されるため、転換クロスシートとなり、パノラマカーと同じミュージックホーンまで取付けられ、いろいろといじられた車両ですが、石川線では転換クロスのロマンスカー的存在でした。

 

2.モハ3742+モハ3731 (鶴来:1990年5月)

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 モハ3740形は1978年に4両導入され、1990年時点全車健在でした。

この車両は、名鉄瀬戸線の地下乗り入れで追い出されて来た、1931年製の古い車両でした。しかし、北陸鉄道にしてみれば、大きさもちょうど良く、なにより転換クロスシート付きの有難い車両だったのではないかと思います。

 

3.モハ3744車内 (鶴来:1990年5月)

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 元名鉄瀬戸線の特急車の車内です。ゴージャスな転換クロスシートもそのままでした。

この車両がパノラマカーと同じミュージックホーンを鳴らして走る姿を見たかったです。

 

4.モハ3743+モハ37441 (鶴来:1990年5月)

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1990年当時本家の名鉄には、すでにこのタイプの車両は存在していませんでしたが、名鉄にはもっと古いのが揖斐線あたりにたむろしていたので、これらの車両は話題にも上がらず、最後まで目立たない存在でした。

 

5.モハ3772 (鶴来:1990年5月)

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 モハ3770形は一見モハ3740形のようにも見えますが、こちらは18mの大型車で、元は愛電の特急あさひ号です。

導入もモハ3740形よりも早い1967~1968年です。モハ3770形は1928年製のかなり老体ですが、製造当初は日本一速かったそうです。石川線ではその面影はありません。もっとも、車体は元名鉄モ3300形ですが、石川線移籍時に足回りと機器を北陸鉄道の手持ち品と交換したので、田舎電車相当の性能になっていました。

 

6.モハ3773+モハ3772 (鶴来:1990年5月)

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 モハ3770形は3両導入されましたが、1970年にモハ3771が事故廃車となったので、1990年時点ではモハ3772,3773の2両が在籍していました。

 

7.クハ1723 (鶴来:1990年5月)

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クハ1720形はモハ3770形と同時期に名鉄からやって来た増結用の18m車です。

片運車だったので、常時野町寄りに連結されていました。同形車が4両いましたが、1990年時点ではクハ1721,1723の2両が在籍していました。このうち、写真のクハ1723は側窓の上段固定窓をHゴム化した奇妙な姿をしていました。