ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第350話 1990年立山砂防:緑燃ゆる季節

ちょうど30年前です。1990年のGWは、4年ぶりの立山砂防軌道を訪問しました。

立山砂防軌道は、黒部峡谷鉄道同様に冬季は積雪のため休業し、雪害を回避するため、橋桁などの設備も外して越冬するほどの徹底ぶりです。時期的にそろそろ稼働しはじめている頃だろうと勝手に思い、いざ立山へ!!

 

1.5tDL鳶山号 (千寿ヶ原:1990年5月)

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 もう稼働しているのか?半信半疑で出向きましたが、なんとか稼働している様子でした。そして、機関車にはネームプレートが付けられていました。ヘッドマークがなんとなくイベントぽく、大衆化してしまったように思えますが、立山砂防の機関車は当時の建設省保有する機械設備であるため鉄道車両でいう形式や車号などが存在せず、代わりに長ったらしい備品管理番号が付けられていたので、機関車ごとに付けられたネームはある意味車号に代わる分かりやすい固有名詞と考えればそれに越したことはありません。

 

2.天鳥オーバーハングを行く人車列車 (桑谷~中小屋:1990年5月)

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 例によって、安全第一で撮影に臨みました。

早春の立山は、目が覚めるような "緑燃ゆる季節” でした。しかし、砂防軌道はまだ完全稼働ではないようでした。もしかしたら全線開通していなかったのかも知れません。この日は天鳥砂防ダム付近の常願寺川の河原から、難所だったオーバーハングを通過する列車を狙いました。

 

3.天鳥オーバーハングを行く人車列車 (桑谷~中小屋:1990年5月)

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突然列車がやって来ました。あまりにも、まわりの風景が雄大過ぎて、列車は豆粒の様な大きさです。それでもこの機会を逃すわけにはいかず、気合のハンドドライブで連写です。

 

4.天鳥オーバーハングを行く人車列車 (桑谷~中小屋:1990年5月)

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 このポジションで5枚も連写してしまいました。

 5枚ともなんとかまともに撮れていましたが、プリントしてガッカリだったのが、軌道手前に設置された柵です。この柵は、前回1986年の撮影時にはありませんでした。

 

5.天鳥オーバーハングを行く人車列車 (桑谷~中小屋:1990年5月)

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 この柵はあまり強烈なものではありませんが、この場所から見ると柵の支柱の基礎部分がコンクリートで固められ白く目立ちます。

 

6.天鳥オーバーハングを行く人車列車 (桑谷~中小屋:1990年5月)

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 ところで、当時の立山砂防はこんな断崖絶壁を走っていました。

現在は軌道のルート変更でこの区間は廃止となり、もうこの様な写真は撮影できません。今となっては記録の一コマです。