ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第361話 1987年茨城交通:夏の陣(その3)

古い鉄道ファン誌に、湯口徹さんの「江若鉄道夏の陣」という記事が特集されていました。

そこには琵琶湖の湖水浴客輸送の様子がリアルに書かれており、大変印象的でしたが、江若は湖水浴客輸送に気動車だけでは足りず、客車を保有し、さらに国鉄からも客車を借用するほどの大盛況だったようです。茨城交通もかつては機関車が客車や気動車を牽引する海水浴列車を走らせていました。私が最初に茨城交通を訪問した1977年8月にも、機関車牽引の列車に連結されていた客車(ハフ46)に乗った記憶があります。

 

1.JR快速あじがうら号キハ28形、58形3連 (阿字ヶ浦:1987年7月)

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 JRからの直通列車は、帰り客のために午後まで阿字ヶ浦駅で待機です。この当時は直通列車はたったの3両編成1本でしたが、かつてはこの広い構内がいっぱいになる程だったと思われます。

 

2.キハ223 (阿字ヶ浦~磯崎:1987年7月)

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 「行き」のピークを過ぎると、「帰り」のピークまで休憩です。列車も通常通りの単行となりました。

 

3.JR快速あじがうら号+キハ1103 (平磯~磯崎:1987年7月)

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午後の撮影開始です。

そして、「帰り」の列車はなんとオマケ付きの4連でした。

 

4.JR快速あじがうら号+キハ1103 (平磯~磯崎:1987年7月)

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 JR車にぶら下がるのは、再び運用に入った元留萌のキハ1103でした。

こんな編成も、ローカル私鉄ならではの光景です。気動車は会社の壁を越えて、みんな仲よく連結運転できたことが良くわかります。

 

5.キハ1103+JR快速あじがうら号 (磯崎~平磯:1987年7月)

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 大変愉快な編成ですが、このまま4連で上野まで行くことはありません。湘南顔のキハ1103は勝田までです。

JRの「あじがうら号」の方は、窓が閉まっていますが、キハ1103は窓が全開です。JR車は冷房車だったからです。

この年の直通列車は、JRになってから最初の運行でした。いったいいつまで続くのか?。結局、上野発着ではなくなりましたが、1993年頃まで直通運転は継続された様です。

さて、もうすぐ海水浴シーズンの到来ですが、今年はコロナの影響で海水浴どころではありません。しかし、最近は海水浴に行きたいと言う子供たちもいない様です。夏を楽しむ庶民のステータスもずいぶん変わって来ました。もう「夏の陣」も過去の話しです。