ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第374話 1989年三井三池:三川坑のナロー(その3)

三川坑の土場を少し散策してみました。

散策と言っても、この土場は広く、はるか有明海の埋め立て地の先まで続いているようでしたが、迷子になりそうなので車庫の周辺のみです。

 

1.北陸重機製6tDL No.5 (三川坑土場:1989年9月)

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 機関車の向こう側が有明海の埋め立て地です。この埋め立て地はズリ捨て場が広がったものです。埋め立てなのでボタ山が見当たりません。写真には黒い山の様なものが写っていますが、貯炭場の様です。

 

2.坑外運搬軌道諏訪川鉄橋 (三川坑土場:1989年9月)

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 諏訪川に架かる鉄橋です。通称ガタガタ橋と呼ばれていたそうで、左側が人道橋になっていました。この橋の前方は三池鉱業所三川坑で軌道はその構内に続いていました。

 

3.坑外運搬軌道埋め立て地方向に続く線路 (三川坑土場:1989年9月)

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この線路はズリ捨てに使用されていたのか、 埋め立て地に続く線路です。架線柱が残っており、ここもかつては電化されていました。この先がどうなっていたのか興味深々ですが、とりあえずここまでです。

 

4.貯木場 (三川坑土場:1989年9月)

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 貯木場の風景です。坑木が山積さておりまだ活気が伺えました。

前方に見えるのは、諏訪川の対岸に位置する三池鉱業所の選炭場です。その先には九州電力の火力発電所の煙突も見えます。

 

5.貯木場 (三川坑土場:1989年9月)

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 貯木場には坑木の他に多数の鉱車も留置されていました。

 

6.坑外運搬軌道土場 (三川坑土場:1989年9月)

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再び土場の事務所と車庫です。右側のテントの様な建物が検修庫の様です。No.8号機がピットインしていました。

 

7.坑外運搬軌道土場 (三川坑土場:1989年9月)

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 車庫線の先端にはDLの廃車体が留置されていました。DLの廃車体以外にも、なんだかわけのわからない機材や廃材が転がっており、この雑然とした雰囲気がいかにも炭鉱の端っこを物語っています。

 

8.三池炭鉱地形図(引用:国土地理院1/25000地形図「大牟田」昭和53年編発行)

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ここで、今回ご紹介した三川坑の土場の場所について、当時の地図で説明します。この地図は、大牟田市の三池港周辺です。地図の右上が大牟田駅で、地図の左半分が三池炭鉱の中核となる三池港です。地図の中央付近に小川町の標記がありますが、その上側が広大な埋立地になっており、そこに細線で軌道が標記されています。軌道は3本分岐していますがこの分岐あたりが土場の車庫です。実際はもっと複雑な線路配置ですが、この地図ではかなり簡略化されています。そしてこの軌道は諏訪川を渡って左側の西港町へ続いていますが、この西港町が三池炭鉱の構内となっており、三池鉄道三池港駅もこのエリアに記載されています。なお、現在土場の辺りは公園になっているそうです。