1986年の8月は、甲信地方のローカル私鉄早回りを行いました。富士急行、松本電鉄を訪問し、今回は最後に訪問した上田交通別所線の話題です。
この年、上田交通別所線はもうすぐ昇圧され、貴重な旧型車両が淘汰されることから、長野電鉄には寄らずに別所線を優先しました。しかし、このツアーはずーっと天気が悪く、とうとう最後の別所線まで雨を引きずりました。
1.モハ5271+クハ271 (八木沢:1986年8月)
お目当ては、いつもの丸窓ですが、今回はなんと「川造」コンビが走っていました。
思えば、「川造」コンビの走行は今回が初めてです。よって、天気は冴えませんが先ずは「川造」を追い掛けました。
2.クハ271+モハ5271(舞田~八木沢:1986年8月)
この「川造」コンビは、共にお隣の長野電鉄から、長野駅地下化で追いやられて来た可哀そうな車両達です。意外にも全鋼製の車両ではありますが、いわゆるAA基準を満たさなかったので、半鋼製車両と同じ扱いにされてしまいました。
3.クハ271+モハ5271(八木沢~別所温泉:1986年8月)
別所線と言えば「丸窓」ですが、この「川造」コンビは「丸窓」と同じ1927年生まれでした。「丸窓」は丸窓がチャームポイントですが、「川造」は赤い帽子がチャームポイントです。
4.クハ271+モハ5271(寺下~神畑:1986年8月)
「川造」の編成美です。この電車は長電時代のエンジ色よりもシックな上田ブルーの方が似合っているように思います。
5.モハ5271+クハ271 (上田:1986年8月)
上田駅でようやく「川造」の形式写真が落ち着いて撮れました。
モハ5271は元長野電鉄のモハ612です。長野電鉄発注の「川造」タイプで、この頃はまだ各地に同型車が健在でした。1927年製なので「丸窓」と同年代の車両ですが、こちらは全鋼製車です。モハ5271は長野時代に事故に遭い、パンタ寄りの前面窓がHゴム化されています。
6.クハ271+モハ5271(上田:1986年8月)
クハ271は元長野電鉄のモハ604です。上田交通移籍時に両運のままクハ化されました。もともとモハ5271と長野時代は同じ形式車両だったので、車体形態は全く同じです。