岩手開発鉄道は1950年に盛~日頃市間が開業しましたが、その頃は石灰石輸送もなく、何のために開通したのかよくわかりません。
そして開業の5年目には倒産の危機に直面しますが、その頃、救世主となる小野田セメントの製品輸送に活路を見出し、赤崎~盛間の貨物専用線が1957年に開通します。
さらに、セメントの原料となる石灰石の採掘が長岩鉱山で開始されると、日頃市~岩手石橋間を1960年に延伸し、旅客そっちのけの石灰石輸送の鉄道に豹変し現在に至ります。
1.DD5651牽引の積車貨物 (長安寺~日頃市:1988年8月)
この日は、盛を始発の気動車で出発し、撮影のため長安寺で下車しました。
雨が本降りとなりましたが、帰るに帰れないため、撮影を続けました。
2.DD5651牽引の空車貨物 (長安寺~猪川:1988年8月)
貨物列車は頻繁にやって来ます。この頃の岩手開発鉄道は、24時間体制で石灰石輸送を行っており、最大で一日29往復のダイヤが設定されていました。単純に1時間当たり1列車以上が運行されていたわけですが、その合間を縫って、旅客車が5往復運行されていたことになります。
3.DD5601牽引の空車貨物 (日頃市~長安寺:1988年8月)
しかし、その後は輸送量が低下し、現在は夜間運行は行われていないようですが、当時の機関車は全機健在で、恐らく現在も同様な撮影ができると思います。
4.DD5651牽引の空車貨物 (岩手石橋~日頃市:1988年8月)
岩手開発鉄道の路線は日頃市から先が連続25‰の勾配区間となります。しかし、山に向かう列車は空車なので、DD56にとってはなんてことありません。むしろ積車で下りの方が大変なようです。
5.DD5651牽引の空車貨物 (岩手石橋~日頃市:1988年8月)
この写真は岩手石橋に向かう空車列車を、岩手石橋付近で撮影したものですが、この手前にはスイッチバックがあり、列車は方向転換して終点の岩手石橋に到着となります。
6.DD5601牽引の積車貨物 (日頃市~岩手石橋:1988年8月)
これぞ鉱石輸送の原点です。
この写真も、岩手石橋付近で山を下る積車を撮影したものです。この写真の奥の方にスイッチバックがあり、写真の右端に写る建物が岩手石橋駅の駅舎です。