ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第430話 1987年筑波:終焉の時(その2)

真壁付近で撮影後、岩瀬方面に歩きました。この辺りはほんの2週間ほど前にも訪れた場所ですが、若干、春めいて来ました。これからが撮影には最適のシーズンですが、私にとっては、もうこの日が最後です。

 

1.キハ504 (東飯田~雨引:1987年3月)

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ここは東飯田です。駅のまわりは何もありませんが、鎮守の森らしき雑木林がアクセントでした。

やって来たのはキハ504です。この車両は1959年製造以来ずっとこの路線で活躍していました。当初は筑波線の急行「つくばね号」に充当され、後に国鉄水戸線に直通運転された輝かしい経歴の車両です。日本車輌製の私鉄向け標準型気動車の先駆けでもあり、空気ばね採用、横型機関採用のステップレス車で、まだまだ若い世代の気動車でしたが、筑波鉄道廃止後は関東鉄道常総線に引き取られるものの復活はしませんでした。

 

2.キハ504 (東飯田:1987年3月)

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 東飯田を出発するキハ504を半逆光で撮ってみました。都心の桜はそろそろ見頃でしたが、東飯田駅の桜はまだつぼみでした。

 

3.キハ504 (東飯田~樺穂:1987年3月)

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 前方にそびえる筑波山は霞んでいました。この景色もこれが最後でした。

 筑波鉄道の廃止から今年で33年になりますが、人間なら昨年に三十三回忌も過ぎて「弔い上げ」と言ったところです。そろそろ記憶の彼方に葬られてしまいそうです。

 

 

4.キハ301+キハ763 (樺穂~東飯田:1987年3月)

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 徐々に乗客が増えてきたようで、2連が走り始めました。

写真は元国鉄と元雄別の2連ですが、元雄別だったキハ763は国鉄のキハ20形にも見えて、国鉄時代のローカル線を見ているようです。

 

5.キハ763+キハ821 (真壁:1987年3月)

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 こちらも、元雄別と元国鉄の2連です。

 

6.キハ821+キハ763 (真壁:1987年3月)

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 もうすぐ廃止ですが、車両はみな塗装が綺麗でした。この状況を見ていると、廃止後はどこかに引き取られて行くのかと思ってしまいますが、結局、キハ301以外は筑波鉄道と運命を共にしました。

 

7.キハ821標記 (真壁:1987年3月)

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 このサボも見納めです。キハ821も塗装は綺麗でしたが、よく見ると、車体の裾のあたりが腐食しており、やはり老朽化は進んでいました。