ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第570話 1989年鹿島:忍び寄るNDC(その6)

この年の6月に、鹿島鉄道にもとうとう新車が導入されます。

関東鉄道常総線の様に一斉置き換えではないので、多少は気楽でしたが、とりあえずは古い車両の撮影です。

 

1.キハ601 (石岡:1989年4月)

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 キハ601は、関東鉄道常総線では全滅したキハ610形の同輩です。同じような写真をすでにいっぱ撮っていますが、また今回も・・・。

 

2.キハ601の側面標記 (石岡:1989年4月)

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 キハ601の側面は中扉もステップ付きの片引きだったので元国鉄キハ42000系の名残りを留めていました。この車両は戦前製のグループですが、車体更新により外板が修繕されたためリベットがなく、戦後製のキハ42600形のようにスッキリした外観です。床下の太い配管は排気管です。オリジナルは床下に排気していましたが、配管を延長して運転室の横で立ち上げて屋根上で排気するように改造されました。

 

3.キハ601 (石岡:1989年4月)

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 久々に綺麗な形式写真が撮れました。この車両は後に冷房化され、一時期新車と同じデザインの塗装になり、大変なことになりましたが、その後是正されてホッとしました。

 

4.キハ711 (石岡:1989年4月)

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 キハ711形の3両は、新車導入後の先行きが最も危ぶまれる車両でした。元芦別鉄道のクロスシート車であり、1両くらいは残ってもらいたい車両でした。

 

5.KR-501+KR-502 (新潟鐵工所大山工場:1989年6月)

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ついでにオマケですが、もう皆さんご存知の鹿島鉄道向けNDCです。

この写真は最初に導入された2両の落成直後です。この浮世離れした塗装が、あわや鹿島鉄道の標準になりかけて、一時キハ600形やキハ430形にも波及しました。

 

6.KR-501 (新潟鐵工所大山工場:1989年6月)

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 この車両は16m級非貫通タイプのNDCですが、形態的には鹿島鉄道オリジナルで他路線には存在しません。冷房付きクロスシート車で、1989年6月と1992年12月に2両づつ全車4両が導入され、路線廃止まで活躍しました。鹿島鉄道ではこの車両の導入がきっかけとなり、在来車の冷房化が図られました。