ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第580話 1993年野上:あきらめムード(その5)

今回は1993年7月の野上電鉄の話題です。

7月という非常に中途半端な時期ですが、ちょうど広島出張中の休暇を利用して訪問した時の様子です。野上電鉄はもう最後の年になると思うので、本当は5月頃の田植えの時期にも訪問したかったのですが、それは無理でした。

 

1.モハ24+モハ26 (北山:1993年7月)

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この日も朝から撮影でした。いつもの出庫バスで重根に出向き、始発から撮影を行いましたが、曇っていたので気合が入らず、途中から電車に乗って北山に向かいました。乗って来たのは写真のアーモンドチョコでした。 この日もアーモンドチョコは元気に走っていましたが、正式に廃止が確定したためか、なんとなく重苦しい雰囲気が漂っていました。

 

2.モハ26+モハ24 (野上中~北山:1993年7月)

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前回の訪問時は、まだ田植え前でしたが、わずか2カ月ほどの間に、すっかり稲が育っていました。 この日は土曜日でしたが、朝のラッシュは2連が走っていました。ラッシュ時増結用のクハはクハ104しかいなくなってしまったので、モハ同士の2連が増えました。

 

3.モハ31+モハ32 (野上中~北山:1993年7月)

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 続いてやって来たのは元阪神の明かり窓コンビです。こういう組合せがたまりません。まだ梅雨が明けておらず、この日も怪しい天気でした。せっかくの編成美ですが、綺麗な写真が撮れず残念でした。

 

4.デ11 (野上中~北山:1993年7月)

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 ラッシュを過ぎると、デ10形の独壇場です。デ10形は富山地鉄からやって来た車両ですが、2度目の路線廃止に遭い可哀そうな車両です。もうこれ以上の転職先はなく、3両ともここが終焉の地となります。 

 

5.デ11 (野上中~北山:1993年7月)

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 野上電鉄は廃止を表明したものの延期となり、いつ廃止されるのか具体的な日程がはっきりしませんでした。しかし、6月の株主総会で会社の解散=廃止が確定的となり、翌年3月末の廃止が濃厚となりました。

 

6.モハ24+モハ26 (日方:1993年7月)

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日方に戻ると、今朝乗ったアーモンドチョコが休んでいました。野上電鉄は、もうこの車両を元の塗装に戻す余裕もなくなってしまいました。

この頃、私は仕事の関係で広島に長期滞在することになったので、広島を拠点にローカル私鉄めぐりをするチャンスに恵まれました。野上電鉄も完全に射程圏内で、東京から出向くより、はるかに近かったです。よって、その後は廃止となる翌年3月まで、毎月の様に野上を訪れました。