だらだらとブログを続けていますが、第600話まで来ました。
今回も節目の番外編ですが、第400話の番外編でご紹介しきれなかった、こだわりのスクラッチビルドから、気になる脇役達をクローズアップしてみました。
どこの世界でも、主役を引き立てる脇役が重要です。ところが、太平洋炭鉱の場合、意外にも主役の機関車並に脇役が目立ちました。なぜなら、脇役達はいずれも相当なゲテモノだったからです。
1.通勤列車再現
太平洋炭鉱には強烈な脇役がいました。
この編成は、説明するまでもなく機関車(3号機)が主役ですが、機関車は引っ張る車両がなければ意味がありません。そこで脇役の牽引車両を製作したわけですが、機関車以上に奇妙なこの客車は、いったい何モノなのか? 得体も知れませんが、模型化のネタになる情報が全くありませんでした。
2.通勤列車再現
数少ない文献から、これらの客車はかつての通勤列車に使用されていたもので、背の低い真っ白なタイプと、背の高い腰回りが灰色のツートンカラータイプの2種類が確認できました。
この模型を製作した頃は、現在の様にネット検索など皆無の時代であり、参考になるのは、鉄道誌にチョコっと掲載されている断片的な写真のみ。その写真からサイズを割り出して、何とか図面化しました。
3.「鉄道ジャーナル通巻第65号 1972年9月」より引用
参考となったのは、「鉄道ジャーナル通巻第65号 」p86のカラー写真(左下)です。古い書籍なので転載させて頂きましたが、カラー写真であることが大変有難かったです。この写真から背の高い方は、腰回りが薄い灰色であることが分かりました。
4.通勤列車再現
鉄道ジャーナル誌の写真に誘発されたて製作した5号機と客車の編成です。脇役の客車も際立ちます。ちなみに掲載した模型車両は全て1/80HOナロー(6.5mmゲージ)なので、この程度までアップすると粗が目立ちますが、ご勘弁願います。
5.背の高い客車
この客車は番号も不明です。よって、「背の高い客車」と呼ぶことにしましたが、背が高いとは言え車内は頭をぶつけそうな高さです。一応座席はベンチタイプのロングシートになっており、向かい合って座ると立ちスペースがなくなります。小さいボギー台車は鉱車と共通のインサイド軸受構造です。それを模型化するとあまりにも車輪が小さいのでスケール製作はあきらめ、Nゲージ用のΦ3.6㎜車輪を6.5㎜に改軌しましたが、それでもかなりオーバースケールです。
6.背の低い客車
これは「背の低い客車」ですが、この車両はかがんで乗らないと間違いなく頭をぶつけます。なぜか窓も少なく、これが通勤車両と言えるのか? 失礼な表現ですが、私には装甲車か囚人護送車にしか見えませんし、こんな車両には乗りたくもありません。ところでこの車両は、廃車体ではありますが現物を確認することができました。
7.背の低い客車(廃車体)の現物 (釧路鉱業所付近:1986年8月)
これが現物の廃車体ですが、ちゃんと台車も付いています。こういう現物写真があると決して悪ふざけで作ったのではない模型であることの証明になります。