今回も太平洋炭鉱の脇役模型の続きです。
まずは、気になる鉱車です。この鉱車は太平洋炭鉱春採電車線が昇圧されて、機関車がニチユの16t機に代った後も継続して使用されました。
1.運炭列車の再現
8t機ではこの鉱車を8両牽引していました。さすがに模型で8両の鉱車を作るのは厳しく、とりあえず2両としました。黄色一色の鉱車は、機関車に連結すると結構スパイシーな脇役になります。
2.運炭列車の再現
鉱車があるか無いかで、主役である機関車の存在感も大きく異なります。やはり機関車には牽引車両が不可欠です。
3.鉱車
この鉱車は2t積のホッパー車です。小さいボギー台車は客車と共通としました。現物の連結器は朝顔型カプラーですが、模型では連結作業が面倒なので単純な引っ掛け式にしました。この程度の模型ならプラ板で十分ですが、客車同様、こだわって真鍮製としました。
4.太平洋炭鉱6t機と鉱車の模型化形式図
5.さらなるゲテモノ
先頭のL型機は、どう見ても主役と言うより脇役です。その脇役に連結されたトロッコ群は脇役にもなれないエキストラと言ったところでしょうか。こう言うゴチャゴチャした車両こそが炭鉱の雰囲気を盛り上げます。
6.さらなるゲテモノ
このトロッコ編成は、決まったモデルがあったわけではなく、勢いで製作しました。
あえて言えば、先頭の機関車だけは太平洋炭鉱の釧路鉱業所構内で使用された6t機がモデルですが、諸般の事情でオバースケールとなってしまった都合、スケールモデルとは言えません。よって、この編成自体が架空の脇役です。
7.保線列車の再現
再び5号機の登場ですが、5号機は小柄なため晩年は保線列車専属として活躍しました。そして、連結された相棒の資材トロッコが、この編成を魅力アップする名脇役です。
8.資材トロッコ
この資材トロッコも重要な脇役です。
縦積みされたガスボンベなど、冗談のような車両ですが、実はこの資材トロッコは鉄道誌の「とれいん」の記事を基にフリーで製作したものです。手元に有ったエコーモデルのシーナリーパーツを適当に見繕って搭載しました。ささやかなデコレーションですが、これが結構効果的で、出来上がると脇役も際立ちます。
9.「 とれいんNo.135 1986年3月」より引用
この記事も古いので引用させて頂きましたが、左ページの下側に資材トロッコの現物写真が掲載されています。この写真には縦積みのアセチレンボンベが写っています。
ところでこの記事は、野木淳さんと言う方のレポートで、太平洋炭鉱5号機のディテールを紹介した特集ですが、このマニアックな記事には大変感激しました。そして、このマイナーな車両を一般の鉄道車両と互角に取り上げた、とれいん誌には頭が下がります。
今回の番外編では、脇役模型にスポットを当ててみましたが、模型製作の神髄は、脇役までしっかり作り上げることにあると思います。