ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第607話 1984年越戸鉱山:三河の魔境探検(その2)

魔境探検のその2は、粘土板の乾燥棚が複雑に設置されて迷路のような支線方面の様子です。掲載写真は下図の⑦~⑫です。

軌道の路線図は、レイルマガジン誌にも掲載されていたので、そのコーピーを持って行きました。結構正確に描かれており、迷うことなく探検できましたが、今回お伝えするエリアは非常に複雑な配線となっていました。

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写真⑦

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 写真⑦は、支線の様子ですが、正面の掘っ立て小屋は吹きさらしの納屋になっており、その中を軌道が貫通していました。レールは地面に陥没しており、この一帯は雨が降ったら水浸しになりそうな場所です。

 

写真⑧

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 写真⑧は、納屋の様子ですが、この納屋はトロッコの車庫なのか、多くのトロッコが留置されていました。ここに留置されたトロッコは、最近木枠を更新した様で、見た目はまだ綺麗でした。軌道内にプーリーが埋もれていますが、この辺にはウインチはなく、この辺は手押しのみの軌道です。支線の先の方は雑草が生い茂り、使用されていない様でした。

 

写真⑨

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 再び本線に戻り、写真⑨は3カ所目の分岐です。雨上がりだったので、軌道がぬかるんでいます。ここには写真の右端に写るウインチ小屋もありました。そして、本線上に無造作にトロッコが留置されており、ワイヤーロープがつながれています。ウインチは2カ所に設置されており、工場からここまでは、このウインチを使用し、ここから先、荷卸し場までは、荷卸し場の脇にあったウインチのワイヤーロープに繋ぎ換えて使用するようでした。このトロッコのワイヤーロープは、荷卸し場のウインチに繋がっていました。

ところで、正面には民家があり、軌道の先には道路が交差しています。ここは鉱山の敷地なのか?

 

写真⑩

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 写真⑩は写真⑨の後ろ側を写したものです。ここは本線ですが、本線脇のスペースにも乾燥棚が設置されていました。良く見ると、軌道の右側の犬走部にワイヤーロープが転がっています。

 

写真⑪

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 少し高台に上がって、写真⑪は支線部を俯瞰した写真です。乾燥棚がびっしり設置されており、軌道は見えませんが、この乾燥棚の間に軌道が敷かれています。ちょうど三河線の電車が通りましたが、三河線とこの鉱山軌道の位置関係はこんな感じでした。現在は三河線が高架化され、この辺の風景も一転しました。

 

写真⑫

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 写真⑫は、一般道との踏切から写真⑨に写る分岐とウインチ小屋を撮ったものです。ここは民家の前です。家の前にトロッコ軌道の踏切があるのも不思議です。