ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第613話 1991年江ノ島:古き佳き時代の終焉(その4)

この日は2001編成が入庫していたためか、運よく301編成が運用に出ていました。

 

1.デハ301+デハ351 (七里ヶ浜稲村ケ崎:1991年11月)

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 301編成は元都電の車体を流用した車両です。溯れば王子電軌の生き残りであり、大変貴重な存在でしたが、この車両もあと1年の運命でした。

 

2.デハ305+デハ355 (七里ヶ浜稲村ケ崎:1991年11月)

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 305編成は301編成と同じ300形一族ですが、1989年には冷房化、カルダン化され300形一族では優等生的存在でした。しかしどう見ても他の300形と同じ一族には見えませんし、実態も全く別形式の車両です。なぜ300形なのか?あえて言うならば、完全新製の様で台枠のみ京王電車の木造車の台枠流用だったので雑多な300形に包括されたのかも知れません。

 

3.デハ1000形2連+デハ1000形2連 (七里ヶ浜稲村ケ崎:1991年11月)

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 1000形の重連はそれなりに編成美ですが、吊掛車です。

残った300形がカルダン化されるなか、1000形は吊掛車のまま残りました。

 

4.デハ551+デハ501+デハ352+デハ302 (鵠沼~柳小路:1991年11月)

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 500形は501編成が1989年、502編成が1990年にカルダン化されましたが、車体構造上の理由から冷房化は見送られました。300形が整理されると、500形も先が危ぶまれました。

 

5.デハ1151+デハ1101+デハ1551+デハ1501 (鵠沼~柳小路:1991年11月)

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江ノ島以西の 江ノ電の撮影場所はなかなか良い場所がありませんが、鵠沼~柳小路間には軌道敷が拡幅された場所がありました。かつては信号所かなにかあった場所の様ですが、ここなら4連も撮影できました。

 

6.デハ351+デハ301 (湘南海岸公園鵠沼:1991年11月)

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 この日は301編成がしっかり撮影できました。もうまもなく、江ノ電も古き佳き時代の終焉を迎える頃でした。

 

さて、ここで少し前の写真が出てきたので、ついでにご紹介します。

 

7.デハ603+デハ604、デハ801+デハ802他 (極楽寺:1980年3月)

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この写真は私が高校時代に広島から東京へ遊びに来た際に、江ノ島に出向いた時のものです。今となっては大変懐かしい車両が写っています。左の元玉電だったデハ603は、前面窓が更新前で前照灯も2灯化移設前の原形です。右のデハ801は元山梨交通モハ7を前身とする車両で、上田交通経由で江ノ電に来ました。これも前照灯が2灯化移設前の原形です。デハ603は1983年、デハ801は1986年に廃車されました。

 

8.デハ108 (極楽寺:1980年3月)

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そして、当時現役だった両運車のデハ108です。この頃はもう1両デハ107も健在でした。新潟鐵工製の貴重な電車です。共に1982年1月に廃車となりましたが、このデハ108は動態保存となり現存します。

これらの写真は、インスタントカメラで撮影したもので、お見苦しい画像で恐縮ですが、これこそが古き佳き時代の江ノ電車両でした。