1992年当時、この軌道の存在意義が如何ほどのものか、よくわかりませんでした。当時はすでに第2発電所から先の林道が完成しており、索道の位置を変えて、その林道から第3発電所まで直接結べば、軌道は不要になるのではないのか。しかし、この軌道が残されたのは、設備投資を抑えるためなのかも知れません。定かではありませんが・・・。
1.撮影場所詳細(引用:国土地理院1/25000地形図「小見」昭和52年発行)
今回はいよいよ軌道の終点である小口川第3発電所へアプローチです。
索道の上端から3kmほど、軌道の起点から1.5kmほどの道程でした。有峰口駅から約4時間かけて歩いてきましたが、帰りはこの道をまた戻らねばなりません。帰りのことを考えると足以上に頭が痛い!
写真㉖
写真㉖はここも強烈なΩカーブです。しかし、華奢な橋で沢を渡ります。恐らく増水の度に手直しするので万年仮設状態なのかも知れません。軌道の真ん中に落石が・・・。
こんな落石でも当たれば致命傷になりかねません。
写真㉗
いきなり視界が開けました。写真㉗は第3発電所のヘリポートでした。ここには重量物を運ぶ鋼製のチキ?モドキのボギートロッコが留置されていました。トロッコは頑丈そうですが、線路はヨタヨタなのでちゃんと走れるのか心配です。しかし、発電所の重量機器をこれで運んだのでしょうか?
写真㉘
写真㉘は本線からヘリポートへ側線が分岐する部分です。ヘリポートは、鉄骨の足場を組んだお立ち台でしたが、柵もなく張られたネットは、落ちた人でもいたのか?
写真㉙
ヘリポートの先は、いよいよ第3発電所のエリアに入ります。写真㉙の左上方の建物は、作業者の合宿所です。ここで働く人は、夏場をこの合宿所で過ごします。しかし、誰もいないのか、不気味なほど閑散としています。ちょうどお盆の頃だったので、皆さん山を下りていたのかも知れません。
写真㉚
そして振り向くと、写真㉚は第3発電所です。建物の改修が終わったばかりのようです。前方の山肌には天空から続く送水管が連なっています。この山の向こうに祐延ダム湖があります。
写真㉛
写真㉛は発電所の貯水池脇のスラブ軌道?です。 軌道は地形図では、発電所の手前の合宿所の付近が終端になっていますが、実際は第3発電所の建物脇まで延びていました。もう終点は目の前ですが、終点にもう1台のゲテモノロコがいました。