ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第672話 1992年富山地鉄:多彩な面々(その2)

富山地鉄稲荷町車庫は色んな車両が出入りするので飽きることがありません。

特にこの時は京阪から購入した車両の改造工事もオープンに実施されており、新旧の車両が同居していました。しかし、旧型車がめっきり少なくなってしまいました。

 

1.クハ173、クハ175 (稲荷町:1992年11月)

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 稲荷町車庫の一画には、増結用クハの寝床がありました。観光シーズンはクハの稼働も多くなりますが、この日はクハ173とクハ175が居ました。2両共スノープロ―を装着して、すでに冬仕様になっています。 クハ173はモハ10020形の中間車改造で生まれた車両で、クハ175はモハ14760形の増備時に新製された車両です。

 

2.クハ173 (稲荷町:1992年11月)

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 クハ173は元々3連の中間車サハ223でした。運用の見直しから増結用のクハになりましたが、結構使用されていました。この車両はドア配置を変更せずに、車端に運転室を設けて、ドアと運転室の間にボックス席を設置したので、運転室寄りの吹き寄せ部に中途半端な小窓が残りました。ボックス席なのに戸袋窓が被ってしまい、この小窓をもう少し大きくしたいところですが、この車両は乗務員扉が引き戸なので、その戸袋があるため、これ以上窓が拡張できません。

 

3.モハ10023+モハ10024 (稲荷町:1992年11月)

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 新塗装のモハ10023+モハ10024が入庫して来ました。この列車は元々3連で、先程のクハ173がサハ時代に挟まれていました。クハ173の側面と比較して、運転室とドア間の窓は小窓ではありませんが、その分ドア間の窓数が少なくなっています。

 

4.モハ14753+モハ14791 (稲荷町:1992年8月)

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 愉快な両運車同士の2連が入庫していました。かなり強烈な凸凹編成です。ちなみに手前のモハ14753は吊掛車で後ろのモハ14791はカルダン車です。この2両は共に増結用でしたが、たまにこんな編成が組まれました。

 

5.モハ14753 (稲荷町:1992年8月)

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 モハ14753は富山地鉄オリジナルの運輸省規格型車両です。1972年に外板が更新されてなぜかノーシルでした。屋根上の目玉ライトが残念ですが、この車両は両運車が幸いして同形のモハ14752と共に富山地鉄鉄道線最後の吊掛車として1995年まで生き延びます。

 

6.モテ10001 (寺田:1992年8月)

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 そう言えば、非営業車ですが吊掛車がいました。旧モハ7541改めモテ10001です。

この写真は8月に寺田の側線で撮影したものです。

 

7.モテ10001 (寺田:1992年8月)

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 この車両は普段、稲荷町にいるはずですが、使用されていたのか珍しくこんな場所で撮影できました。しかし、事業用車ではありますが、国鉄クエ28形モドキの様相は夢にでも出て来きそうなインパクトです。