ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第695話 1993年日立:電車の整理整頓!!(その2)

この時点の日立電鉄は、すでにモハ1000形やクハ2500形などの雑多な車両はほとんどいなくなっており、魅力半減でしたが、在籍車両を確認するため常北太田に向かいました。

 

1.モハ9 (常北太田:1993年3月)

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 この日はモハ9も運用されていました。この車両は日立電鉄発注のオリジナル車両です。戦時中の資材の無い時期に日立製作所で製造されましたが、同じ日立グループだったからこそ優遇されたようです。

 

2.モハ11+モハ15 (常北太田:1993年3月)

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 このブサイクな顔の車両も日立電鉄発注車ですが、営団地下鉄向けに製造されていたはずの車両をグループ会社のパワーで横取りしてしまったと言われるモハ11です。この横取り事件後、日立製作所営団地下鉄はしばらく険悪な関係になってしまったとか?この事件には少なからず日立電鉄も加担していたはずと言うか、当事者だったわけです。しかし、時は流れて日立電鉄は、その営団地下鉄の中古車両を購入することになり、もう過去の険悪な関係は解消したのでしょうか・・・。実態は、もうそんな古いことを気にする人も、知る人もいなくなったのでしょう。

 

3.クハ109+モハ110 (常北太田:1993年3月)

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 元営団2000系は、まず2連で導入されましたが、元静岡鉄道の2連はまだ健在でした。他の車両に比べて車体が新しく、大型であったためと思われますが、これらの車両も置き換え対象になっていました。

 

4.2005+2215+2006 (常北太田:1993年3月)

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 そして、これが新たなラッシュ用の3連でした。手前からMc+Tc+Mcです。車体は元営団2000系で、足回りは元営団3000系のお古です。残念ですが冷房は付いていませんでした。せっかくの新車?ですが、日中は単行しか走らないので新車はあまり走りません。

 

5.モハ9 (常北太田~小沢:1993年3月)

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 さて、再び本線です。今度はモハ9です。モハ13形に比べると、かなりまともな電車に見えます。この車両は戦時中の1943年製でモハ10と共に2両製造されました。日立電鉄では初の半鋼製車でドアエンジンも付いた画期的な車両でした。1963年に車体更新されて片面貫通のスタイルになりました。

 

6.モハ9 (常北太田~小沢:1993年3月)

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 モハ9の常北太田寄りの非貫通面は、日立電鉄お得意のHゴム3枚窓でした。これが日立電鉄流改造車両の美学です。