ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第702話 番外編:40年前の軽便模型を顧みる(その3)

さて、今回最初に登場する模型は40年前の軽便模型ではありません。

これは20数年前に、天賞堂エバーグリーンショップでお安く購入したフクシマ模型の別府鉄道キハ3のキットを組み立てたものです。このキットを購入した理由は、別府鉄道キハ3に対する思い入れがあったからですが、それ以上に安かったからです。恐らく何か重要なパーツが欠品しているかも知れないというリスクを覚悟して買ってしまいました。

 

1.フクシマ模型の1/80別府鉄道キハ3キット組立

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 実は、私は既成品の真鍮キットの気動車を作るのはこれが初めてでした。スクラッチビルトと違い、糸鋸で素材を切断したり、くり貫いたりする必要もなく、至れり尽くせりでした。窓の縦桟やラジエータの給水配管などの追加を行い、夜な夜な組み立てましたが、結局、何が欠品だったのか? しかし、完成に近づくと何か違和感を覚え、だんだんやる気がなくなってしまいました。

 

2.フクシマ模型の1/80別府鉄道キハ3キット組立

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 それでも一応完成させました。やる気がなくなったせいか、塗装は手を抜いてしまい、本来の「別府ピンク」ではなく、既成塗料の半光沢ピンク色です。

 

3.フクシマ模型の1/80別府鉄道キハ3キット組立

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 しかし、何かが違う!!完成した車両をじっくり眺めた結果、以下の実車との相違点に気づきました。

①ウインドヘッダーが実車より太すぎる。

②窓の横桟が実車より細すぎる。

③雨樋が実車より立派すぎる。

④16.5mmゲージなので実車よりガニ股

etc・・・・

 

4.別府鉄道キハ3他 (別府港:1976年8月)

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これは 別府鉄道キハ3の実車の写真です。模型と見比べるとやはり違いがわかります。

 

5.フクシマ模型の1/80別府鉄道キハ3キット組立

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しかし、さすがにフクシマ模型の製品です。模型としてはしっかり構成されていると思います。お手製のプラ板模型とは格段に現車の実感があります。今となっては、塗色を調合して本物に近い「別府ピンク」にしておけば良かったと後悔しています。

 

6.1/80軽便気動車との比較

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 ・・・で、自作プラ板車両と並べてみました。

どちらも1/80です。なぜか塗装色も一緒です。しかし、フクシマ模型の方が繊細でシャープであり実感もあります。やはり製品には敵いません。

 

7.1/80軽便気動車との比較

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 そして、茶色の気動車も並べてみました。どちらも車体長は同じくらいですが、軽便車両の方は車体幅が狭くて華奢に見えます。これも出来栄えはフクシマ模型の方に軍配が上がります。こうなるとプラ板製には限界を感じます。無駄なパワーをかけて無理をするよりも、おとなしく既成キットを組むべしです。

その後、一時期既製品の真鍮キットを購入して組み立てていました。そのうち趣味から遠ざかって現在に至りますが、昨今の多種多様な模型製品やパーツ類を見ていると、今こそそれらを活用してスクラッチビルトに挑むチャンスなのかも知れません。