ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第709話 1992年三岐:セメント輸送の傍ら

三岐鉄道の旅客輸送はどうもセメント輸送の傍らでやっている様に見えて地味な存在です。平成になると、いつの間にか電車は西武のお古に侵略されており、1992年当時には、とうとう西武電車以外の車両は、たったの3両だけになっていました。そして、どーでも良い西武電車も、吊掛車グループの淘汰が始まりました。ただそれだけの理由でで三岐鉄道へ出向くのは少々抵抗がありましたが、近鉄北勢線のついでという名目で、1992年のGWにちょっとだけ覗きに行きました。

 

1.クモハ103、クモハ525 (保々:1992年5月)

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 三岐鉄道の電車は2連とラッシュ用の3連が存在します。2連は元西武451系、571系である601系と元西武401系である101系で運用され、3連は元西武501系である501系とオリジナルのモハ150形+元小田急車のクハ210形で運用されていました。

 

2.モハ151、クモハ103、クモハ525他 (保々:1992年5月)

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 ところが、吊掛車の聖域である3連運用にも、1989年に元西武701系である801系が導入され、モハ150形、クハ210形、500系の淘汰が始まりました。

 

3.クモハ525+サハ1525+クモハ526 (保々:1992年5月)

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 501系は元西武501系で、西武鉄道初の全鋼製車です。三岐には2編成が在籍しましたが、801系の入線により1990年2月に1編成が廃車となり、この時点では1編成になっていました。残ったこの編成も1995年に廃車となります。

 

4.モハ151+モハ150+クハ216 (保々:1992年5月)

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 この3連は予備車的存在でしたが、この時点で既に運用離脱状態で側線に追いやられていました。モハ150形は、1972-73年製の車体なので見た目は新しく、実際西武の801系などよりも若い車両で、廃車にするのがもったいなく思えますが、足回りは戦災復旧国電の流用品だったので、仕方ありません。

 

 5.モハ151 (保々:1992年5月)

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 ところが、モハ150とクハ216は、1991年12月20に廃車となっていましたが、このモハ151だけは、廃車が1992年5月20日だったそうで、この時点では車籍がまだありました。

 

6.クモハ103+クモハ104 (保々:1992年5月)

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 この時点で一番新しい電車だったのが、このクモハ103+クモハ104です。101系は1993年にもう1編成入線し全3編成となりますが、1992年5月に601系が1編成廃車となります。

 

7.旧東武ED5000 (保々:1992年5月)

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 庫内にはどこかで見たことある様な電気機関車がいました。ナンバープレートが外されていましたが、車体には東武鉄道の標記が・・・。これは東武鉄道から購入したED5069でした。増加するセメント輸送用に、貨物を縮小した東武からやって来たのですが、この機関車の竣工はなんと2000年まで棚上げ。9年間も放置されることになりましたが、竣工後はED459となり、中部国際空港の埋め立て土砂の輸送に活躍しました。