ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第751話 1993年熊本:LRTを夢見る(その2)

今回は、1993年熊本電鉄訪問時の在籍車両の様子です。

この頃の熊本電鉄は、すでに雑多な車両が淘汰された後であり、主力は元静岡鉄道及び元東急電鉄から購入した中古車に車種統一されていました。

 

1.クハ502+モハ501、モハ5101+モハ5102 (北熊本:1993年9月)

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 北熊本における主力車500系と5100形の交換風景です。車両はともかく、この塗装にはがっかりしました。この頃の熊本電鉄には、もう昔日の田舎電車の面影はありません。

 

2.モハ5101+モハ5102 (北熊本:1993年9月)

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 5100形(注1)は単行か2連で運用されていました。2連もワンマン運転なので、必ず貫通面同士を連結して、貫通路を使用していました。

 

3.モハ5101+モハ5102 (北熊本~亀井:1993年9月)

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 モハ5101~モハ5104は、導入時にDC600V降圧化と両運化された車両で、東急5000系両運化の先駆けでした。このタイプの両運化は松本電鉄に導入されたモハ5000形にも展開されましたが、松本電鉄では2連運用が原則だったようで、単行で使用されたのは熊本電鉄だけでした。

 

4.モハ5105 (北熊本:1993年9月)

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 モハ5105は、当初片運車のモハ5043としてモハ5044と2連で導入されましたが、運用の見直しで1988年に両運化されてモハ5105になりました。モハ5100形ではなぜかこの車両だけ2パンタ搭載でした。

 

5.モハ5105 (北熊本~打越:1993年9月)

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 (注1)5100形の車歴

・熊本モハ5101←東急デハ5031:1952年東急車輛

・熊本モハ5102←東急デハ5032:1952年東急車輛

・熊本モハ5103←東急デハ5053:1954年東急車輛

・熊本モハ5104←東急デハ5038:1952年東急車輛

・熊本モハ5105←熊本モハ5043←東急デハ5043:1953年東急車輛

・熊本モハ5106(竣工せず)←熊本モハ5044←東急デハ5044:1953年東急車輛

・東急デハ5109(未入籍:部品供出用)

・東急デハ5120(未入籍:部品供出用)

 

6.モハ5103 (堀川~新須屋:1993年9月)

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 モハ5100形の単行は、上熊本線だけでなく本線でもデータイムを中心に運転されていました。この沿線は宅地化が進んでいましたが、やはり熊本市街の起点が不便だったので電車の利用は思わしくない様で、日中は単行でも十分な様でした。これがLRT化されて熊本の繁華街に直通すれば、輸送需要も増加し、列車本数も多くなると思われますが、現実は厳しいです。