ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第764話 1985,92年大井川:たまにはSLも!

吊掛電車を求めて大井川鉄道へ何度も訪問しましたが、たまにはSLにも目を向けないと失礼と思い、今回はSLの話題です。とは言っても、電車の撮影のついでに撮った写真ばかりなので、まったく気合が入っていません。

 

1.千頭構内の保存SL群 (千頭:1985年9月)

f:id:kk-kiyo:20210306055142j:plain

  まずは1985年当時、千頭構内にいた保存機です。

ここのSL達は大井川鉄道には縁もゆかりもない、流浪のSLです。大井川鉄道では大井川本線の動態保存機の他に、客寄せに千頭川根両国間に走らせた遊覧列車用の小型機や静態保存機を各地から取り寄せて展示していました。写真の4両は左から下記の通りです。

・1号(いずも)は、1921年コッペル製12t機の元一畑軽便鉄道4号機。住友セメント七尾工場で使用され、廃車後個人経由で1977年に大井川鉄道で動態保存。

・1275号は、1922年コッペル製21.5t機の元新潟臨港開発A形1号機。国鉄買収後日本ステンレス直江津工場へ転じ、廃車後の1971年に大井川鉄道で動態保存。

・C12164は、1937年日本車輌製の元国鉄機です。この機関車は国鉄廃車後に本川根町が無償貸与を受けて千頭で展示されていましたが、その後日本ナショナルトラストにて復活され、1987年から大井川本線で活躍します。

・49616号は、1920年川崎造船製の元国鉄機です。この機関車は国鉄廃車後に千頭南小学校が無償貸与を受けて千頭で展示されていました。はるばる北海道の北見からやってきましたが、残念ながらこの機関車は復活しませんでした。

 

2.1号(いずも)保存機 (千頭:1992年11月)

f:id:kk-kiyo:20210228131504j:plain

 この写真は1992年に撮影したものですが、すでに動態保存は終わった様でした。

1号(いずも)は、動態保存時に井川線に入線可能なように車体を切り詰めていましたが、この時は煙突だけ元の形に戻していました。もう走らないのなら、生まれ故郷の一畑電鉄で保存してもらいたい気がします。

 

3.3号保存機? (千頭:1985年9月)

f:id:kk-kiyo:20210306055448j:plain

1985年の千頭構内にはこんな機関車もいました。偶然の遭遇ですが、 この超小型機関車は知る人ぞ知る「花々鉄道3号機」です。 この機関車は日本製ですが、台湾基隆炭鉱で活躍した楠木機械製作所製3.5t機です。製造は1930年とも1941年とも言われていますが私にはわかりません。

 

4.3号保存機? (千頭:1985年9月)

f:id:kk-kiyo:20210306055531j:plain

 しかし、この3号機は、なぜここに?この機関車は現在も成田ゆめ牧場まきば線にて、羅須地人鉄道協会で動態保存されていますが、以前は糸魚川の東洋活性白土で保管されていました。東洋活性白土が閉業した1982年から、まきば線の開設の1993年までの間は所在がよくわかりませんが、その間、千頭疎開していたのか?イベントに活用されていたのか?

 

5.C5644  (千頭:1985年9月)

f:id:kk-kiyo:20210306055559j:plain

 このC5644は、1936年三菱重工製の元国鉄機です。しかし、国鉄では5年程しか活躍せず、その後はタイの泰緬鉄道に譲られました。そして、戦後はタイ国鉄の735号機となり、廃車後の1979年に返還され、大井川鉄道で動態保存したものです。当初はタイ国鉄当時のスタイルのまま使用されましたが、後に写真の製造時のスタイルに戻されました。大井川鉄道では他の機関車はタンク機ばかりなので、テンダー機のC5644は、存在感があります。

 

6.C11227+客車5両 (崎平~青部:1992年11月)

f:id:kk-kiyo:20210228131626j:plain

 ここからは、1992年当時の現役のSLです。

この日は大井川鉄道の吊掛電車を撮影することが目的でした。電車を待っている間にSL列車が来たので撮影したのがこの写真です。

 

7.C11227+客車5両 (崎平~青部:1992年11月)

f:id:kk-kiyo:20210228131657j:plain

ここは崎平~青部間にある大井川第二橋梁です。SL撮影ではかなり有名な撮影ポイントです。この頃の大井川鉄道は、SL運転がすっかり定着し、逆に物珍しさが薄れたのか、沿線で撮影する同好者もほとんどおらず、落ち着いて撮影できました。

 

8.C11227+客車5両 (崎平~青部:1992年11月)

f:id:kk-kiyo:20210228131718j:plain

  やはり架線の下を走るSLには違和感を感じますが、徐々に近づくドラフト音は臨場感があり、ついつい連写してしまいました。