ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第786話 1993年熊本市交:新しいもの大好き(その5)

この日は熊本電鉄の撮影を終えて、再び熊本市電の撮影です。

夕方になり、交通局の大江車庫を訪問しました。

 

1.101 (交通局前~味噌天神前:1993年9月)

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 先ずは交通局近くで撮影です。古っぽい最新の101が来ました。この辺りは日中の交通量が多く、路面電車の撮影はなかなか厳しいです。よって、陸橋上から撮影を行いました。

 

2.9204 (交通局前~味噌天神前:1993年9月)

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 続いて、これも新車の9204です。徐々に新車が増えてきましたが、101の導入後はしばらく新車の増備はありませんでした。なお、この時点ではまだLRVの導入は具体化されていませんでした。しかし、LRVの導入について模索はされていたようです。

 

3.1210 (交通局前~味噌天神前:1993年9月)

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 この日、まだ撮影していない車両は、1060形、1080形、5010形でした。当時1060形は1両、1080形は4両在籍していましたが、いずれも予備車的存在でした。また、2連接車の5010形は4編成在籍していましたが、ラッシュ時の限定だったので日中は出動しません。

 

4.交通局大江車庫構内(大江車庫:1993年9月)

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大江車庫の様子です。現在熊本市電の車庫は上熊本に移転して新しい車庫になりましたが、当時は交通局の裏側に大江車庫がありました。
 

5.1203、1355 (大江車庫:1993年9月)

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 大江車庫はビックリするほど古く老朽化した車庫でした。その中には旧塗装の1355がいました。すでに車庫の移転計画が出されていたので、車庫の改修は実施されなかった様ですが、予定の1996年移転は見送られてしまい、1997年には、この車庫にLRVが入って来ます。その後も延々と車庫の移転は先延ばしとなりました。

 

6.5010B+A、5014B+A (大江車庫:1993年9月)

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 そして、車庫内には2連接車の5010形(注1)が昼寝していました。5010形は元西鉄福岡市内線の1000形です。1976年と1979年に計4編成が熊本にやって来ました。ちなみにこの派手な塗装は、車体広告ではありません。

(注1)5010形の車歴

熊本市交5011A+B,5012A+B,5014A+B,5015A+B←西鉄1011A+B,1012A+B,1014A+B,1015A+B:1957年川崎車輌

この連接車は、熊本市電では初の間接自動制御のカルダン車でした。熊本では、この5010形がいたので、VVVF車の受け入れが早かったのかもしれませんが、どう見てもこの車庫でVVVF車やLRVのお守りが出来たのか不思議でたまりません。

その後、日本初のLRVが1997年に導入されましたが、上熊本の新車庫オープンは2002年まで先延ばしとなり、それまでこの車庫で整備が続きました。

この日の大江車庫では、5010形は撮影できましたが、1060形、1080形は奥に押し込まれており撮影ができませんでした。この当時は路面電車にあまり興味がなかったので、もう熊本の路面電車はこれで見納めかと思っていましたが、何の因果か、その後もお付き合いが続くことになりました。