ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第921話 1992年西濃:まだやっているのか?(その2)

美濃赤坂に戻り、西濃鉄道の機関区を訪問しました。この日は貨物列車の運行がない日だったので、現役の機関車は庫内に入っていました。機関区で確認できた西濃鉄道保有車両は、現役の機関車が3両と旧国鉄の緩急車が2両でした。この他にも多くのホキ9500形が在籍していたはずですが、営業でJR線のどこかに行っており、実態がわかりませんでした。

 

1.DD403 (美濃赤坂:1992年10月)

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 現役の機関車は、長らく自社発注のDD400形(注1)3両でしたが、1990年に国鉄清算事業団からDE10形を購入して、DD401が1991年に廃車されました。この写真の左端にちょっとだけ写っているのが、導入されたDE10501ですが、興味がなかったのか、まともな写真を撮っていません。

 

2.DD402 (美濃赤坂:1992年10月)

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(注1)DD400形の車歴

・西濃DD401:1964年三菱重工製:→1991年廃車

・西濃DD402:1969年三菱重工製:→2022年廃車

・西濃DD403:1972年三菱重工

 

3.DD401(廃車) (美濃赤坂:1992年10月)

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 写真は、前年に廃車となったDD401です。まだ使えそうな雰囲気ですが、この機関車はDD400形では異端車でした。DD402,403が520PS✖1機関であったのに対し、DD401は230PS✖2機関でロッド駆動の機械式でした。

 

4.ワフ21120 (美濃赤坂:1992年10月)

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 そして、西濃鉄道には自社線内専用の緩急車(注2)が存在しました。こんな小さな鉄道で律儀に緩急車を使用するとは恐れ入りますが、実はこの緩急車は昼飯線内の貨物列車推進運転時の前方監視用の制動車でした。しかし、この時点で昼飯線は休止状態だったので、廃車同様に側線に留置されていました。このような緩急車は、かつてはどこでも見ることが出来ましたが、国鉄の貨物合理化後は一挙に消え去り、貴重な存在になっていました。

 

5.ヨ13933 (美濃赤坂:1992年10月)

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 (注2)緩急車の車歴

・西濃ワフ21120←国鉄ワフ21120:1934年汽車会社製

・西濃ヨ13933←国鉄ヨ13933←国鉄ヨ3933:1934年新潟鐵工製

これらの緩急車は、1977年にワフ21016、21120が国鉄から購入されましたが、ワフ21016が1987年に事故廃車となり、同年にヨ13933が国鉄から購入されました。しかし、その頃には昼飯線はほとんど運行されておらず、果たしてヨ13933はどのくらい使用されたのか?。なお、ワフ21120は現在貨物鉄道博物館に保存されています。

 

6.旧国鉄DE10形廃車群 (美濃赤坂:1992年10月)

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 側線の奥には3台の旧国鉄のDE10形が留置されていましたが、これは部品確保用でした。手前からDE10551,132,525。西濃鉄道では国鉄清算事業団からDE10形の廃車を5両購入し、2両をDE10形(注3)として再生しましたが、そのうちのDE10502は、つい前月の竣工直後に樽見鉄道に移籍しており、この時点ではDE10501のみが在籍していました。

(注3)DE10形の車歴

・西濃DE10501←国鉄DE10148:1969年汽車会社製:→2021年廃車

・西濃DE10502←国鉄DE10545:1969年川崎重工製:→1992年樽見鉄道へ譲渡(DE113)

※上記以外に部品確保用として、DE10132,525,551を購入した。

この日は、西濃鉄道の実態をさらっと確認しただけでしたが、謎の多い鉄道のまま、その後は再訪問をしていません。しかし、清水武さんが執筆されたRM LIBRARY No.99「西濃鉄道」で詳細を知ることができました。現在の西濃鉄道は、2006年に昼飯線市橋線の猿岩~市橋が廃止、更に昨年9月に市橋線の乙女坂~猿岩が廃止となり、小さい鉄道になっていますが、石灰石輸送は健在です。そして、昨年には譲受した元秋田臨海鉄道DE101251が竣工し、北陸重機製のDD451も新製され、DD403と共に活躍しています。「まだやっているのか?」などと言ったら怒られてしまいます。