ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第926話 1994年岡山電軌:無難な変貌(その3)

続いて、岡電車両コレクションです。岡電は1980年から毎年ほぼ同じスタイルの新車導入を継続していましたが、7600形以降はスタイルに少し変化が現れました。

 

1.8303 (東山:1994年7月)

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時代の流行なのか、多少角の取れたソフトなスタイルになりましたが、相変わらず吊掛車でした。完全新製車も徐々に増えてきましたが、なかなか本物の軽快電車は現れません。まあ、在来車の機器流用車との混在を考えると、これも仕方ないのか、無難な変貌が続きました。

 

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7600形(注1)は1986年に1両だけ導入された7次車で、これも完全新製車でした。車両性能は7500形から変わりませんが、前面と側窓に変化がありました。このタイプも新製時は岡電のオリジナル塗装でしたが、この時には「キツネの温泉電車」になっていました。

(注1)7600形の車歴

岡電7601:アルナ工機製(完全新製)

 

3.7701 (東山:1994年3月)

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7700形(注2)は1987年に1両だけ導入された8次車で、スタイルは7600形を踏襲していますが、臓物は2501(元呉市電700形)からの流用です。この7700形の導入で、雑多な旧型車の更新が完了しました。

(注2)7700形の車歴

岡電7701:アルナ工機製(2501から機器流用)

 

4.7901 (東山:1994年3月)

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1980年から毎年継続された新車導入は7700形で一段落しましたが、2年後の1989年から再び新車導入が再開されました。これ以降の増備車は7900形(注3)に形式が統合され、すべて完全新製車となりました。

7901は1989年に1両導入されました。ここでまた、スタイルに変化があり、前面の傾斜が少しきつくなりました。

 

5.8101 (東山:1994年3月)

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8101は1991年に導入されました。この車両から車号が8000番台となりましたが、形式は7900形で、車両性能やスタイルも7901と同じです。

 

6.8201 (東山:1994年3月)

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8102は1992年に導入されました。この電車はJR西日本の広告電車で、カラーリングは当時の300系のぞみ号をイメージしたものです。この頃は300系のぞみ号に大変お世話になりましたが、300系はもう現在の「のぞみ号」の5世代前の車両です。

 

7.8301 (東山:1994年3月)

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8103は1993年に導入されました。この時点で一番新しい車両でした。渋い塗装ですが、これは広告電車ではなく、イベントを意識したものの様です。7900形は1995年にも8105が最終増備されますが、その後は3000形がしばらく残存したので、新車の増備は2001年のLRV9200形までありませんが、その後も琴電訪問のついでに時々立ち寄りました。ところで、現在も軽快電車モドキたちは健在ですが、さすがに旧車の機器を流用したグループは、臓物がくたびれていると思われます。今後の動向が気になるところです。