ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第949話 1993年鹿島:空気を運ぶ大増発(その2)

この頃の鹿島鉄道の列車運用は、KR500形の稼働率がかなり高く、特に玉里や常陸小川折返しの区間運用には、ほとんどKR500形が充当されていました。

 

1.キハ601 (四箇村~常陸小川:1993年5月)

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一方、従来の気動車ですが、鉾田行きのロングラン運用に充当されており、日中はキハ600形、キハ430形も、相変わらず走っていました。よって、この区間ではほぼ1列車おきにキハ600形かキハ430形もやって来ました。

 

2.キハ601 (四箇村~常陸小川:1993年5月)

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しかしながら、せっかくのキハ600形もこの白装束にはがっかりです。こんな老体までKR500形に調子を合わせる必要があるのか?この白装束塗装は天気が良いとかなり絞り込まないと、こんな感じで真っ白になってしまいます。

 

3.キハ601 (四箇村~常陸小川:1993年5月)

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キハ600形は、どうも周りの景色と調和しません。天気も良く、田圃の状況も春らしいのですが、困ったものです。

 

4.キハ601 (常陸小川~四箇村:1993年5月)

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しかしながら、キハ600形は相変わらず元気でした。元気過ぎて使用頻度も高く、その後冷房化されます。まさか路線廃止となる2007年までこの車両が生き延びるとは思いませんでした。

 

5.KR502 (四箇村~常陸小川:1993年5月)

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再びKR502の登場です。なんだか頻繁に列車がやって来ます。この区間は日中ほぼ30分間隔の運行なので、上下列車は15分ほどの間隔で現れます。

 

6.KR502 (四箇村~常陸小川:1993年5月)

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しかし、どの列車もガラガラです。列車本数の増加はおおいに結構なことですが、空気を運んでいる様です。こんなガラガラな列車を走らせていて、本当に大丈夫なのか傍で見ている方が心配になるくらいでした。

 

7.鹿島鉄道時刻表 下り抜粋(1989年6月16日改正)

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8.鹿島鉄道時刻表 下り抜粋(1993年3月18日改正)

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この当時の列車運行ですが、この撮影の2ヵ月前にダイヤが改正されました。改正前後の時刻表(抜粋)を示します。改正前の時刻表は、石岡南台の開業に合わせて石岡~玉里間の区間列車を大増発した時のものです。この時にKR500形が導入されましたが、当初は石岡~玉里間の区間列車にKR500形がほぼ専属で充当されました。ところで、2カ月前のダイヤ改正では、常陸小川行の区間列車が大増発されて、常陸小川は大変便利になりました。しかし、常陸小川に何が出来たわけでもなく、いったい何が起こったのか?、増発された理由が不明でした。実際、輸送需要があったのは石岡~石岡南台までの僅か1駅間だけでした。区間列車は折り返し設備のある玉里まで運転されていましたが、玉里まで利用する人はほとんどいないはずです。にもかかわらず常陸小川まで増便したのはどういう理由なのかさっぱりわかりません。