ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

号外2023.03.14:神明車庫跡公園保存車公開(その2)

今回も神明車庫跡公園の保存車公開の続きです。綺麗に蘇った乙2号ですが、ちょっと気になったことがあり、修復状態を観察してみました。

乙2号は、木造なので鋼材であるフレーム部分を残して修復されました。その様子は「号外:乙2竣工!!」でお伝えしましたが、気になったのは、一部の木製部材が修復前の車体から再利用されているようで、その事実を確認しなければなりません。

 

1.乙2号

一見、木造部分は完全新製されたように仕上がっていますが、部材の再利用を確認するためには、近くに寄って見ないとわかりません。しかし、公開日とは言え、乙2号のキャブには入れないのが悩ましいです。

 

2.乙2号

その他に今回の修復で気付いた点は、前照灯の電球復活、尾灯レンズを球面に交換、前妻面の幕板を一枚板に変更などです。また、バンパー上の鋼製カバーは修復前のモノを流用していますが、車両の前後で入れ替わって取付けられています。取り付け位置を間違えたのか?、まあ、どうでも良いことです。そして、ビューゲルを引っ張る紐が付きましたが、紐とトロリーレトリバー関係が何とも不可解!。

 

3.乙2号

反対側妻面のトロリーレトリバーは前照灯の右側に設置されています。こちらは紐の行方が・・・。あら捜しをしているわけではありませんが、屋根上のプーリーの位置は、トロリーレトリバー側にあるべきでは?。トロリーレトリバーの取り扱いを理解されているのか?。せっかくのトロリーレトリバーなので、この紐の処置を何とかして頂きたいのですが・・・。

 

4.乙2号修復作業中の様子

この写真は修復過程のものですが、前面窓の縦枠に旧材と思われる緑色の部材が継がれています。この時は窓枠製作の仮処置と思いましたが、その真相は果たして?

 

5.乙2号旧材再使用の様子

この写真は竣工後のものですが、前面窓の縦枠をよく見ると、縦枠の真ん中の部材が継ぎ足されていることがわかります。よって、旧材を再使用していることが判明しました。しかしながら、この写真を撮るのに、フェンスにしがみついて何枚も撮っていたので、公園に子供を連れて来ているお母さんたちに、かなり怪しい人物と思われてしまいました。

 

6.乙2号旧材再使用の様子

なぜ、この様な面倒な造作をしているのか?。材料費をケチったのか?。やはりレプリカではなく、文化財並みの保存修復だからなのでしょう。

 

7.乙2号キャブ内

乙2号は、キャブには入れないので、詳細確認できませんでしたが、プラットホームの柵の外からキャブの内装を見ると、天井や垂木、柱、妻の梁や筋交い、床、内張りは新製されているようです。前面窓の縦枠は、塗装表面の状態から旧材を再利用していると思われます。そして、ビューゲルの紐が、なぜかブレーキハンドルに・・・。

 

8.乙2号キャブ内

同じくキャブ背面妻窓の縦枠も旧材の様です。しかし、窓の縦枠の一部以外はほぼ新製されているので、縦枠以外は再使用できないほど朽ちていたと言うことなのか?いったい、どの程度の旧材を再利用したのか、詳細はキャブ内に入って見ないとわかりません。

 

9.乙2号ビューゲルの櫓

ビューゲルの櫓は、鋼製なので、これは流用です。今回の修復ではビューゲルの取付けが復活しましたが、ビューゲルと台座の間には絶縁のため厚手の板を挟んでボルト固定されているだけです。碍子もなく、あまりにもラフな取付けですが、こんなので大丈夫だったのか?

 

10.乙2号荷台

荷台部分は、あおり戸の金具以外は全て新製のようです。床板はフラットではなく、2か所出っ張りがありますが、これはモーターの点検蓋なのか?。ところで、床板は特に塗装や防腐処理はされていない様ですが、これは実物通りなのか?良く見るほどに疑問が湧いてきます。

 

11.乙2号台車

年季の入ったBRILL台車も流用ですが、ブラストでも掛けたのか、以前のような錆や苔は奇麗に剝がされています。

 

12.乙2号

乙2号も外観写真は非常に撮り辛いです。乙2号は客室がないので、公開の対象にはなっていません。よってプラットホーム側にも柵が設置されており、キャブ内や荷台には入れません。

さて、保存車両公開の様子は以上です。都内にはこの他にも都電の保存車両が存在しますが、この様な修復と展示のグレードアップは滅多にないことです。せっかく綺麗になったので、これからも大切に見守って頂きたいと思います。