小絹からぶらぶら撮影しながら水海道まで歩いてきました。
今回は元旦恒例の水海道機関区訪問です。が、その前に目に飛び込んできたのは、多量のタラコ色の車両でした。いやな予感!が・・・・。
1.元国鉄キハ35190、キハ612他 (水海道:1988年1月)
国鉄はJRとなり、余剰となったキハ35系を清算事業団に払い下げましたが、その車両が水海道に集結です。もしや、解体作業を関東鉄道が請け負ったのかと思いましたが、キハ35系は写真のキハ612よりも30年も若い車両なので、どう考えてもキハ612を差し置いて解体されるわけがありません。
2.元国鉄キハ35190他 (水海道:1988年1月)
・・・と、言うことは、これらの元国鉄キハ35系が常総線に・・・・。
冗談じゃありません。正月早々大変なことになってしまいました。
3.元国鉄キハ357他 (水海道:1988年1月)
えっ!亀山ー奈良!!。この車両ははるばる関西本線からやって来たようです。
常総線では、先に筑波鉄道からキハ301を譲受しましたが、この同型車が一挙に増えることになりました。
4.キハ612他 (水海道:1988年1月)
さあ大変です。こうなるとこのキハ612など、もういつ廃車解体されてもおかしくありません。
まずは、気を取り直してキハ612の撮影です。
5.キハ612サイド (水海道:1988年1月)
ちょうど良い場所だったので、側面のディテールを・・・。
この車両は言うまでもなく、元は優美な流線形でした。ドアの左側が流線形だった部分ですが、ちょうど立樋のあたりで切妻の前頭部を切り継いだもので、屋根に切り継ぎの痕跡が伺えます。この立樋の左が1974年製で右が1936年製です。
前頭部はさておき、ウインドヘッダーに残るリベットやこの窓配置、そして華奢な菱枠台車はまぎれもなく元国鉄キハ42000形です。国鉄時代に後輩のトルコン車に追いやられて常総線に流れ着いた車両ですが、今度も再び国鉄時代の後輩に常総線を追いやられることになりました。
6.キハ612サイド (水海道:1988年1月)
容赦ない関東流通勤車化の洗礼を浴びたキハ610形ですが、この中央扉の部分は元は片引き扉でした。少しでも乗降時間を短縮するため、あえて両引き扉に改造されましたが、中央扉のみ両引き扉の発想は、その後の新車(両運ワンマンカー)にも一部引き継がれています。ところで、一見今風の両引き扉ですが、ヘッダーがしっかり付いており、新しいのか、古いのか、よくわからない体裁をしていました。
7.キハ612サイド (水海道:1988年1月)
わざわざ流線形を切妻に変更したのも関東流通勤車化の洗礼によるものです。これでどの程度定員が増加したのか?そのくらい通勤車が欲しかったわけです。ドアの右側の車端部は流線形を切妻にした部分です。こちら側の屋根も接合部が不自然ですが、車体中央寄りの屋根は少しへたっていました。車端の側窓上下にも律儀にヘッダーとシルが施されています。さすがにこの部分の外板は溶接構造なのでリベットはありません。もともとドアはステップ付きでしたが、通勤車化改造でステップレスとなりました。しかし、扉は下部をカットして再利用されたので、中途半端なプレスの跡が残っています。