ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第392話 1988年関東(常総):いやな予感!(その4)

水海道機関区での車両撮影を終えて、こんどは水海道より北側で走行撮影を行うことにしました。

水海道から下館間はいきなり単線のローカル線となり、列車本数も半減します。

 

1.キハ004+キハ003 (北水海道~中妻:1988年1月)

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 常総線の沿線は水海道より取手方面は丘陵地帯ですが、下館方面は平坦な田園地帯です。駅周辺を外れると障害物も少なく、東側には筑波山も望めます。線路沿いには通信ケーブルの電線柱もなく、非常にスッキリしています。こんな風景なら旧型車がぴったりですが、やって来たのは幻滅のキハ0形でした。

 

2.キハ805+キハ701 (北水海道~中妻:1988年1月)

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 この頃は、水海道以北も今ほど乗客が少なかったわけではなく、結構2連が運行されていました。この区間には通勤型よりも、このキハ800形やキハ500形がちょうど良い様に思えましたが、いずれは元国鉄キハ35系ばかりになってしまうのかも・・・。

 

3.キハ316+キハ315 (北水海道~中妻:1988年1月)

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 常総線もこのあたりまで来ると、筑波鉄道と変わらない風景が展開していましたが、本当は景色の良い撮影ポイントがもっと下館寄りにありました。しかし、そっちの方は列車本数が少なく、そしてそこまで行くには時間もお金もかかるので、まあこの辺りの撮影が無難です。

 

4.キハ813+キハ721 (中妻~北水海道:1988年1月)

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 キハ813+キハ721の凸凹コンビがやってきました。少し曇ってきたので、逆光を気にせずキハ813の顔が写せました。

 

5.キハ813+キハ721 (中妻~北水海道:1988年1月)

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 キハ813は北海道の雄別鉄道からやって来た道産子気動車です。常総線においては移籍車両で唯一オリジナルの外観を維持していた車両です。雄別時代には常総線のような強烈なラッシュはなく、こんな感じで平坦な釧路湿原をのんびり走っていたのでしょうか。雄別時代の仲間の気動車は全て筑波鉄道に在籍しましたが、筑波亡き後はこの車両だけになってしまいました。

 

6..キハ721+キ813 (北水海道~中妻:1988年1月)

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キハ721は富山の加越能鉄道加越線からやって来ました。元々両運車でしたが、関東流通勤車化の洗礼を浴びて片運化されました。もともと3扉車ですが、中央扉を両引き化したこだわりようです。中央扉の戸袋窓は左右で大きさが異なりますが、大きい方の窓は片引き扉時代のものをそのまま流用しています。これは改造上の手抜きのように見えますが、実はこの窓の扉側に車内に排気管が立ち上がっており、それを位置変更できなかったものと思われます。よって、中央扉は車両中心から少し偏心しています。

 さて、いやな予感は的中してしまいました。常総線は元国鉄キハ35系の導入に伴い、この年から雑多な旧型気動車の淘汰が始まりました。本来なら平日のラッシュ時に、旧型車を追って最後の活躍を記録に留めたいところでしたが、残念なことに社会人になった私には、なかなか余裕がなく、せいぜい休みの日に車庫に押し込まれた車両を見にいくことが精一杯でした。それでも減って行く旧型車を最後まで追い続けました。