ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第172話 1985年片上 鉱山鉄道の衰退(その3)

片上鉄道には有名な客車列車が存在しました。

別名“片上のブルートレイン”と言われていましたが、朝夕の通学列車です。片上は鉱石輸送の関係でディーゼル機関車保有していたので、朝夕しか走らない非効率な通学列車に機関車牽引の客車列車を古くから運用していました。晩年はコンテナ列車との混合運転となり、朝の片上行は、コンテナ+客車+回送気動車の多彩な顔ぶれで楽しませてくれました。しかし利用客の減少で客車は2両連結で十分で、6両在籍していた客車は余剰ぎみでした。

 

1.片上で昼寝するブルートレイン (片上:1985年12月)

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片上駅の構内は広く、車庫の西側のヤードには鉱石輸送用の無蓋貨車や客車が留置されていました。 

 

2.オハ3000形 (片上:1985年12月)

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 ホハフ2000形(注1)はオープンデッキの元祖片上ブルートレインでした。この車両は自社発注で、17m級の旧型国電国鉄の古い木造客車の台枠を流用した車両でしたが、ホハフ2001,2002は改造名義に対し、ホハフ2003~2005は新車名義でした。

 

3.ホハフ2000形の車内 (片上:1985年12月)

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 ホハフ2000形の車内は白色系の塗装でした。座席の背ズリが木製で、室内灯のグローブが良い雰囲気です。

(注1)ホハフ2000形の車歴

・片上ホハフ2001:1950年富士産業宇都宮製(サハ78019の台枠流用の改造名義)

・片上ホハフ2002:1950年富士産業宇都宮製(スロ3325の台枠流用の改造名義)

・片上ホハフ2003~2005:1950年ナニワ工機製(ナハ23000形の台枠流用の新車名義)

※ホハフ2003,2004は半鋼製ですが、ホハフ2005は全鋼製。

 

4.ホハフ3001の標記 (片上:1985年12月)

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 ホハフ3000形(注2)は客車列車の増備として1981年に国鉄から譲受した、元オハ35形です。便所や洗面所が撤去され、代わりに車掌室が設置されました。しかし、客車列車は1往復しか運転されておらず、余剰気味でした。

 

5.ホハフ3002+ホハフ3001 (片上:1985年12月)

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 (注2)ホハフ3000形の車歴

・片上ホハフ3001←国鉄オハ351058:1957年日立製作所

・片上ホハフ3002←国鉄オハ351227:1957年日本車輌

 

6.ホハフ3001の車内 (片上:1985年12月)

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 ホハフ3000形の車内は、国鉄オハ35形そのままのニス塗り車内でした。座席の背ズリにモケットが張ってあるので、ホハフ2000形に比べて多少ゴージャスに見えました。