ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第294話 1987年筑波:最後の日々(その3)

筑波鉄道の真鍋機関区では、廃止に向けて既に廃車となった車両の解体作業が進んでいました。この1月に訪問した際には、事故廃車となったキハ812が解体中でした。それに続くキクハ11が解体待ちでした。

 

1.キハ511 (真鍋:1987年3月)

f:id:kk-kiyo:20190810115612j:plain

この日、キハ511Ⅱが庫の外に出ていました。

キハ511という番号は2代目です。初代は筑波鉄道キクハ11が常総線時代の動力車だった時に名乗っていた番号ですが、ちょうど初代キハ511が制御車化されて、キハ511が空番となったのでこの車両が2代目のキハ511となったようです。

 

 

2.キハ511 (真鍋:1987年3月)

f:id:kk-kiyo:20190810115647j:plain

キハ511Ⅱは「西の気動車大国」と言われた江若鉄道からやって来た、江若の自社発注車でした。1963年製で私と同じ年です。私が幼少の頃、江若鉄道に何度か乗っていますが、おそらくその際にこの車両を見ているはずで、もしかしたら乗ったかも知れません。

 

3.キハ511 (真鍋:1987年3月)

f:id:kk-kiyo:20190810120603j:plain

大鉄車輌製というレアな車両メーカーの力作ですが、ブタ鼻ライトがなんともブサイクで、その風貌が憎めない車両でした。 

 

4.キハ511 (真鍋:1987年3月)

f:id:kk-kiyo:20190810115713j:plain

このキハ511Ⅱはまだ比較的若い車両でしたが、筑波鉄道の廃止と共に消滅しました。

若干の改造はされたものの江若の原型を留めた貴重な車両でしたが残念です。現役車両でなぜかこの車両だけは、乗ることが出来ず、走行写真も撮れませんでした。
 

 

5.キクハ11 (真鍋:1987年2月)

f:id:kk-kiyo:20190810120258j:plain

 この年の2月に真鍋機関区をちょとだけ覗きに行った際、キクハ11は解体待ちの状態でした。

 

6.キクハ11 (真鍋:1987年2月)

f:id:kk-kiyo:20190810120340j:plain

キクハ11の車内は照明器具が外されており、そろそろ解体作業が始まった様子でした。

 

7.キクハ11 (真鍋:1987年3月)

f:id:kk-kiyo:20190810120631j:plain

 そして、3月の訪問時には、解体作業の真っただ中でした。

キクハ11は、一見電車風のスタイルですが、常総筑波鉄道時代の1957年に客車として常総線に導入されたホハ1001が前身です。翌年にはキサハ53となり、1960年には動力化されて初代キハ511となりますが、1970年に再度無動力化されてキクハ11となり筑波線に転じました。以来17年間ほど制御車として使用されましたが、晩年はほとんど使用されず路線廃止を前に廃車解体となりました。