ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第435話 1984年東金商店街:いにしえの商店軌道(その2)

伊勢孫本店さんの軌道に機関車が存在した理由は、この勾配です。

軌道はお店の裏からさらに裏山へ延びており、そこに急勾配が存在しました。この勾配の上には麹製造に使用される麹室と言われる防空壕のような貯蔵庫があり、そこに麹の材料を運び上げるのに、機関車が必要でした。

 

1.伊勢孫本店 軌道の勾配区間 (1984年3月)

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 自家用トロッコとは思えないほど本格的な線路も、お店の御主人お手製とのことです。軌道の総延長は100mはあったと思います。軌間は460mmとのことでした。

しかしこの勾配はかなり急坂です。普通の小型機関車では厳しいかも・・・。

 

2.伊勢孫本店 軌道の勾配区間 (1984年3月)

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 この坂をバッタロコはトロッコを推進して登ります。この軌道はお店の裏山に敷かれていましたが、広い敷地は裏庭となって整備されており、まさに庭園軌道でした。

 

3.伊勢孫本店 軌道最上部の麹室 (1984年3月)

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 坂の上には、行き止まりの崖に穴が掘られており、防空壕のような麹室がありました。その麹室の手前が軌道の終点です。

 

4.伊勢孫本店 軌道最上部の麹室 (1984年3月)

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ここは、軌道の終点です。鉱山の坑口のようにも見えます。

その手前にはターンテーブルがありました。この場所には 麹室が3カ所あり、本線は真ん中の室に直進しますが、この左右にある室には、ターンテーブルを介してほんの数mほど人力で移動します。

 

5.伊勢孫本店 軌道最上部の麹室 (1984年3月)

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 室に止めてあったトロッコターンテーブルに乗せて転向してみました。バッタロコも下る時はここで転向していたのでしょうか?ちなみにトロッコは重力で下る様ですが、ブレーキテコがないトロッコは結構おっかないです。

 

6.伊勢孫本店 軌道最上部の麹室 (1984年3月)

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 模型のようなターンテーブルですが、良くできていました。 模型にすると直径12~13㎜程度の大きさでしょうか。