この当時、大井川鉄道には走らないSSE車以外にカルダン車というものがありませんでした。走れる電車は全て吊掛車です。この日は走れるすべての列車が総動員となり、「吊掛車の乱舞」と言ったところでした。
1.モハ1906+クハ6052+クハ6051+モハ312+クハ512 (千頭:1992年11月)
この元小田急電車は本日の主役です。普段は車庫に引っ込んでいますが、多客時の増結用として重宝されていました。ところで、この元小田急の後ろの2両は元小田急ではなく、元北陸鉄道です。北陸時代はカルダン車でクロスシートの「温泉ロマンスカー」としてピカイチの存在でしたが、活躍していた路線が廃止となり、大井川にやって来たものです。しかし、大井川ではモーターをもぎ取られてトレーラー化されてしまい、自走できないので元小田急のモハ1906とトリオを組むことになりました。ところが、モハ1906は3ドアロングシートのままなので、何ともアンバランスな3連です。
2.モハ1906+クハ6052+クハ6051+モハ312+クハ512 (崎平~千頭:1992年11月)
ここは、千頭に近い大井川第四橋梁です。
堂々の凸凹5連です。この日はこれを撮影に出向きました。欲を言うと中間にはさまれた元北陸鉄道出身のクハ6051が先頭に出ていれば申し分ありませんが、なかなか先頭には出て来ません。
3.モハ1906+クハ6052+クハ6051+モハ313+クハ513 (崎平~千頭:1992年11月)
続いて、先程乗って来た西武モドキの元伊豆箱根と本物の元西武の4連です。伊豆箱根から来たモハ1001+クハ2001は3ドアで一見して通勤電車風ですが、元からセミクロスシート車です。
4.モハ3829+クハ2829 (崎平~千頭:1992年11月)
午前中の行楽輸送が落ち着くと、元名鉄の2連がやってきました。
ここも大井川第四橋梁です。また4連が来るのかと思って、並行する離れた道路橋から狙っていましたが、2連だったので慌てて、ズームです。
5.クハ2829+モハ3829 (千頭~崎平:1992年11月)
しかしながら、このタイプの車両もずいぶん減りました。富山地鉄にも同型車が7編成14両導入されましたが、1991年~1993年に廃車となり、大井川に残った2編成だけになってしまいます。そして、このモハ3829+クハ2829は1998年まで生き延び、元名鉄の運輸省規格型電車は消滅します。
6.クハ2829+モハ3829 (千頭~崎平:1992年11月)
この鉄橋は196mもあり長いので、何枚でも連写できますが、とりあえず3カットです。
そういえば、この日はSLの運転日でした。たまにはSLも撮影してみることにしましたが、SLの話題は別途まとめてお伝えします。