ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第1035話 1994年大井川:「あかいし号」引退の頃(その3)

この日の大井川鉄道は、4連は走りませんでしたが、元名鉄3800系モドキが2編成運用されていました。名鉄3800系と言えば、戦中設計の運輸省規格電車です。その仲間は富山地方鉄道豊橋鉄道にも転じましたが、いずれも既に消滅しており大井川に残る2編成だけが、モドキではありますが貴重な存在でした。

 

1.モハ3829+クハ2829 (地名~塩郷:1994年1月)

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大井川鉄道には、元名鉄3800系を種車とした列車が3編成在籍していましたが、本物の名鉄3800系だったモハ310+クハ510は1993年に引退しており、この時点で残っていた2編成は名鉄3800系の車体を流用したモドキでした。しかし、この2編成は雑多形式の300系には編入されずに、名鉄時代の車号が踏襲されました。

 

2.モハ3829+クハ2829 (地名~塩郷:1994年1月)

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モハ3829+クハ2829は、外観も車両番号も名鉄3800系そのままですが、臓物は名鉄の中古品に振り替えられて、車内はロングシートで登場しました。そして、なぜかモハ3829は木造ダブルルーフの買収国電だったモハ301の改造名義となっていました。クハ2829の方は、クハ502の臓物流用でした。この編成は後に名鉄パノラマカーの転換クロスシートに変更されました。

 

3.モハ3822+クハ2822 (地名~塩郷:1994年1月)

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この変な塗装のモハ3822+クハ2822も、外観も車両番号も名鉄3800系そのままですが、こちらはモハ303とクハ504の臓物を流用したもので、車内は近鉄10000系ビスタカークロスシートを装着して急行仕様で登場しました。

 

4.モハ3822+クハ2822 (地名~塩郷:1994年1月)

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これらの元名鉄3800系モドキは、元々の臓物を名鉄7300系に譲って、車体のみ1972年に大井川へやって来ましたが、運輸省規格型電車の生き残りとして、モハ3822+クハ2822は1997年、モハ3829+クハ2829は1998年まで活躍しました。

 

5.C11312+客車列車 (地名~塩郷:1994年1月)

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そしてこの日の最後はSL列車の撮り直しです。午前中はこのSL列車の後追い撮影になりましたが、その戻りはバック運転です。簡単には顔の写真を撮らせてくれません。

 

6.C11312+客車列車 (地名~塩郷:1994年1月)

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まったく気合が入りませんが、この頃の戻りのSL列車は全てがバック運転だったので仕方ありません。しかし、この頃はまだTVキャラクターに害されることもなく、正統派のSL列車だったので撮影対象でした。

 

7.客車列車+C11312 (塩郷~地名:1994年1月)

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この日のSL列車は短編成だったので補機もなくC11が孤軍奮闘して山を降りて行きました。さて、大井川鉄道にもいよいよカルダン車が入線します。その後の大井川鉄道の増備車選定の迷走ぶりは別途お伝えします。