ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第1177話 1995年近鉄(伊賀):ここも「お荷物!」(その3)

今回も近鉄伊賀線の話題ですが、1995年の秋の様子です。860形など興味がないと言っておきながら、この時は名古屋へ行く途中に、天気が良かったので再び伊賀神戸で途中下車をしました。

 

1.ク761+モ861 (比土~上林:1995年11月)

なぜ、伊賀線を再訪したのか自分でもよくわかりませんが、近鉄の異端車となった860系に何か見過ごせないものを感じたのかも知れません。ただ、養老線の吊掛車がいなくなったあと、矛先が初期のカルダン車に向いたことも理由です。

 

2.ク763+モ863 (比土~上林:1995年11月)

この頃は、まさか伊賀線近鉄から追い出されるとは思いませんでしたが、本線の初期のカルダン車も廃車が進み、近い将来、伊賀線にも20m車が入線するだろうと思っていました。その結果が出たのはそれから12年後の、2007年の新生伊賀鉄道発足の時でしたが、まさか東急からステンレスカーのVVVF車がやって来るとは・・・・。

 

3.ク763+モ863 (比土~上林:1995年11月)

伊賀線近鉄から切り離されて、その腹いせに元東急電車を導入したようにも見えましたが、その頃の近鉄電車は大型の20m4扉車ばかりで、これを導入するには設備的に難ありだったのかも知れません。導入された元東急1000系は18m車だったのでサイズ的にもちょうど良く、なによりもまだ新しい電車であり、本音はお買い得だったのかも・・・。しかしながら、現在は東急伊賀線のごときですが、近鉄は今でも伊賀鉄道の大株主です。

 

4.ク763+モ863 (比土~上林:1995年11月)

ところで、860系を見ていると、なぜか元京都線の有料特急だった680系を思い出します。ちょうどサイズも似たような車両でした。680系は1987年に消滅しましたが、晩年はクーラー付きのクロスシートのまま一般車に格下げされて志摩線でローカル運用に充当されていました。私は子供のころ、辛うじて特急時代の680系に乗った記憶がありますが、今となっては680系のことなど、話がかみ合う人がほとんどいません。

 

5.ク763+モ863 (比土~上林:1995年11月)

さて、話を戻しますが、この日は途中下車と言っても、もう夕方近くだったので、新たな撮影場所を探す時間もなく、とりあえず前回と同じ場所で撮影することにして、伊賀神戸から2㎞ほど歩きました。

 

6.ク766+モ866 (比土~上林:1995年11月)

前回の撮影は8月で、まだ稲穂も青々としていましたが今回は晩秋です。沿線の田んぼは稲刈りも終わり、一転して殺風景になっていました。この辺りには民家もなく、とても田舎でした。

 

7.ク766+モ866 (比土~上林:1995年11月)

夕陽に照らされた2両編成の860系は、近鉄電車とは思えない哀愁が漂っています。

 

8.ク766+モ866 (伊賀神戸~比土:1995年11月)

近鉄伊賀線、ここも「お荷物!」でした。でも、現在の伊賀鉄道は、養老鉄道と同様に地域に密着した鉄道として頑張っています。