ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第816話 1993-94年広島:広電の神戸市電(その3)

今回は、1100形に続き1150形です。

前述のとおり、広電における1150形はほとんど1100形と見分けがつかないほど、同じ電車と化していました。しかし、私が思うに、神戸時代の1150形は、国内の路面電車史上最も残念な電車です。すでに何度か報じてきましたが、この電車はカルダン車を辞退した経歴があり、汚名返上することも出来ず、神戸市電廃止により広島に流れ着いた電車です。

 

1.1151 (八丁堀:1993年8月)

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 ところが、この電車にとって広島は、そんな苦い過去にこだわる必要もなく、吊掛車で堂々と暮らせた新天地でした。もっとも、広電も過去にカルダン車で失敗をしており、こんな過去を引きずった1150形は他人事とは思えない親近感のある存在だったのではないでしょうか。なにより、その頃の広電は吊掛車が大好きな、「ヒロ電ボロ電」の頃でした。

 

2.1153 (紙屋町~立町:1993年7月)

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 さて、広島における1150形は1100形同様によく働いていました。そして1150形も広告電車に抜擢されました。

 

3.1155 (宇品~向宇品口:1993年12月)

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  広電には、1150形が7両もいたので乗ったり見たりする機会は結構ありました。しかし、オリジナル塗装の車両にはなかなか巡り合えませんでした。

 

4.1151 (宇品~向宇品口:1993年8月)

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 この頃、オリジナル塗装は7両中、この1151のみたった1両だけでした。外観は1100形の増備車と同じHゴム支持の鋼製窓枠ですが、製造順序は1100形増備車よりも1150形の方が早く、1100形増備車が1150形を模して製造されたことになります。

 

5.1151 (宇品:1994年2月)

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 このオリジナル塗装の1151にはなかなか会えず、1103と共に追っかけの対象でした。ある日、1151のまともな形式写真を撮ろうと思い、天気の良い休みの日に宇品へ出かけました。

 

6.1151 (宇品:1994年2月)

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 ここは、宇品の降車専用電停ですが、ここに居れば、たいていの電車はそのうちやって来ます。午前中が順光なので狙い目でした。ほどなく1151もやって来ましたが、電線の影が・・・。現在の宇品電停は、この写真の場所から少し先に移設されました。現在この場所は複線の専用軌道となっており停車しませんので、このような形式撮影は難しいと思います。