ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第917話 1993年日立:ダラダラ増えるニセ新車!(その2)

日立電鉄の車両置き換えは、1991年~1997年まで7年間かかりました。この間の増備状況は、1991年に6両、1992年に6両、1993年に5両、1994年に4両、1995年~1997年に各1両。合計24両導入したことになり、結構な設備投資でした。

 

1.モハ15 (川中子~大橋:1993年5月)

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1993年にはモハ3022,3023,3024、モハ2007,クハ2016が増備されましたが、この年廃車となったのは、モハ1003,1006、モハ12、モハ13、クハ109+クモハ110でした。これで、雑多なモハ1000形は完全に淘汰されましたが、日中のワンマン運転用の両運車は、まだしぶとく残ります。 

 

2.モハ15 (大橋~川中子:1993年5月)

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 1993年5月時点で残存していた旧型車は、下記の通りです。

① 日立電鉄オリジナル:モハ9形(9,10)、モハ11形(11,12)

② 元相模電気式気動車:モハ13形(13,14,15,16)

③ 元静岡自社製:クハ109+クモハ110、クモハ351+クモハ352

 

3.モハ15 (大橋~川中子:1993年5月)

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  しかし、日中走らない車両を先に置き換えるとは、どういうことなのか?ラッシュ時のサービスを優先したのかもしれませんが、日中昼寝をする車両が多いのは、以前と変わらず、せっかく車種統一を進めているのに、素人目にも合理的ではありません。

 

4.モハ11 (川中子~常陸岡田:1993年5月)

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 この年にモハ3000形が3両増備されました。そのあおりで、モハ12が廃車となります。残ったモハ11は翌年に廃車となり、モハ11形は消滅します。

 

5.モハ11 (大橋~川中子:1993年5月)

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 モハ11形は、営団地下鉄向けに製造中の車両を横取りしたと言われる車両でしたが、戦時設計であり製造時期的にも粗悪な車両だったそうですが、よく持ちこたえたと思います。それも日立電鉄流のテコ入れがあったからだと思います。

 

6.モハ11 (大橋~川中子:1993年5月)

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 この時点では、モハ3000形がいつ納車されて、どの旧型車が廃車になるのかまだわかりませんでした。その後、モハ3022,3023が7月末に竣工し、同時にモハ13、クハ109+クモハ110が廃車となり、モハ3024が11月に竣工し、同時にモハ12が廃車となりました。

 

7.モハ12 (大橋~川中子:1993年5月)

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 モハ12は、さすがに横取りされた車両だけあって、細い貫通路跡に営団1200形の面影が伺える車両でした。現物がなくなると、もう『横取り騒動』は遠い昔の伝説になってしまいました。そして、路線もなくなった現在では、話題に上がることもなく歴史の彼方へ葬られてしまった感じです。