ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

号外2023.05.08:お金の掛からない有意義なGW!!(その2)

今年のGWは昨日で終わってしまいましたが、号外を続けます。

荒川知水資料館はいろいろとタメになるところでした。しかも入館無料!!。お金の掛からない有意義なGW!!となりました。

ところで、荒川と墨田川の関係はさておいて、荒川放水路建設に使用された工事軌道のトロッコの話題に移ります。

 

1.荒川放水路建設のジオラマ(引用:荒川知水資料館の展示)

これは荒川知水資料館に展示されている荒川放水路建設工事を再現したジオラマです。このジオラマの奥の方は絵画になっていますが、結構リアルです。昭和40年代までは、大きな河川改修ではこんな光景が見られました。

 

2.荒川放水路建設のジオラマ(引用:荒川知水資料館の展示)

このジオラマは、エキスカベータの掘削と機関車を使用した土運の様子です。トロに比べて、機関車とエキスカベータがいかにもハリボテなのが残念!。私が代わりに作ってあげたいくらいです。ところで、大正時代には、工事用の重機や機関車に蒸気機関が普及していました。エキスカベータは、なかなか興味をそそる重機です。今では河川改修もショベルカー、ブルドーザー、ダンプカーが主流になっており、もう軌道を使用した工事など見ることはありませんが、エキスカベータは蒸気機関から内燃化、電動化へ進歩し、さらなる巨大化とハイテク化によって、海外では大規模な露天掘り鉱山などで使用されています。

 

3.ナベトロ(引用:荒川知水資料館の展示)

そして、今回の話題のハイライトであるナベトロです。これは実物だそうです。説明によれば、このナベトロは0.6㎥積みの、かなり小型なもので、まさに人海戦術用の土運車です。かなりの年季モノで、この朽ち具合から、どこかに埋もれていたモノを掘り起こして来たようなシロモノです。ただ置いてあるだけで、説明がなければ、展示品というより、しまい忘れた業務用のゴミ運搬台車と思われそうです。

 

4.ナベトロ(引用:荒川知水資料館の展示)

ナベトロの所以であるナベの部分には銃弾を受けたような穴が開いていますが、それほど酷使されたのでしょうか?。ナベトロの下にはレールが転がっていますが、どうせなら、このレール上に載せて展示してあげたいですね。

 

5.ナベトロの説明(引用:荒川知水資料館の展示)

説明によると、この小さいナベトロが使用されたのは荒川放水路の本工事ではなく、新中川や新綾瀬川などの荒川放水路建設の付帯工事とのことです。やはり、本工事ではこんな小さいナベトロは使い物にならないくらいの土運量でした。

 

6.ナベトロ(引用:荒川知水資料館の展示)

ナベトロのからくりをクローズアップしてみました。実際にナベを傾けてみたいのですが・・・・。

 

7.ナベトロ(引用:荒川知水資料館の展示)

ナベトロの軸受です。なにやら刻印が鋳込まれていますが、舶来品の様です。

 

8.現在の岩淵水門と荒川(引用:岩淵水門のパンフ)

さて、話が戻りますが、荒川知水資料館を見物していて非常に気になったことがありました。現在の墨田川は全長約22kmの荒川放水路と岩淵水門により氾濫の危険から回避されました。荒川放水路の完成から93年になりますが、まさに明治時代の大英断により我々は守られています。

でも、安心はできません。

 

9.荒川氾濫の想定(引用:荒川知水資料館の資料)

昨今の異常気象は、想定外の連続です。つい数年前にも、台風直後に荒川河川敷を見に行きましたが、あわや、あと数m程で放水路がオーバーフローしそうな状況で、鳥肌が立ちました。もし、荒川が氾濫したら・・・。荒川知水資料館では水害に関する知識も学習できました。

ハザードマップによれば、我が家のある一帯は5mほど浸水する可能性が・・・。5mと言うと、例えば交差点などの歩道陸橋の下面高さが、だいたい4mなので陸橋も水没してしまう高さです。普通の家なら2階まで水没!!。これは他人事ではありません。

 

10.衝撃の危険度 (足立区某所)

想定最大浸水深6.5m!!。こうなると、どうすりゃいいのか?。もう逃げ場はありません。各自避難ボートを準備しましょう。

※私の小さい頃は、どこの家にも軒下に木船が常備されていました。昔の名残と言うか、昔の人の知恵ですね。

でも、究極の願いは、もう高速道路の建設はやめて、将来のために、もう1本、第2荒川放水路を造ってもらえないですか。できればエキスカベータで・・・。

話題が脱線しまくりましたが、皆さんもハザードマップでお住いの危険度を確認して、ぜひ荒川知水資料館へ出かけてみて下さい。健脚な方は荒川土手(左岸)をブラブラ歩いて行くのも良しです。

 

11.荒川知水資料館への案内図

なかなかわかり辛いところです。

おわり