ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第954話 1985年尾小屋:保存車を拝見する(その2)

元尾小屋駅構内に保存された赤門軽便鉄道保存会と小松市の保存車両を見た後に、石川県立小松児童館で動態保存された元尾小屋鉄道の車両を見に行きました。

 

1.DC121+ホハフ8+ホハフ3,キハ1 (児童会館前:1985年9月)

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そこは場所がわからず、最初は小松付近を迷走しましたが、粟津駅近くの県立粟津公園内にありました。当時は120m程の路線を保存車両が往復する程度の規模でしたが、保存車両は、DC121、キハ1、ホハフ3、ホハフ8の4両が全て走行可能な状態でした。

 

2.キハ1(標記) (児童会館前:1985年9月)

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訪問時は、運休日だったので乗車や走行撮影はできませんでしたが、事務所の方からいろいろとご説明頂いたところ、この保存鉄道は石川県立粟津公園の施設として、1年前に「なかよし鉄道」として開業したもので、施設の保守は「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」のボランティアで成り立っているとのことでした。そして、ちょうど開業1周年とのことで、記念乗車券を頂きました。

ちなみに、「なかよし鉄道」は乗車無料なので、記念乗車券も非売品でしたが、その記念乗車券は昔の尾小屋鉄道の写真も含まれるなかなか凝ったもので、あまり公開されていないと思いますので、以下にご紹介します。

 

3.「なかよし鉄道」1周年記念乗車券

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この記念乗車券を見て、「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」の熱意を感じました。その後、「なかよし鉄道」は路線を延長して現在は470m程になりました。検修庫も完備されて、現在では露天留置の車両はありません。以前、尾小屋に保存されているキハ3やキハ2もここで運転されたことがあり、話題になりました。

当時の元尾小屋鉄道の保存車両は下記の通りです。(現在も変わっていません。)

・5号機:1949年立山重工製:赤門軽便鉄道保存会所有

・DC121:1952年協三工業製:なかよし鉄道

・DC122:1958年協三工業製:赤門軽便鉄道保存会所有

・キハ1←キロ1:1937年日本車輌製:なかよし鉄道

・キハ2:1938年日立製作所製:赤門軽便鉄道保存会所有

・キハ3←遠州キハ1803:1951年汽車会社製:小松市所有

・ハフ1:1918年名古屋電車製作所製:小松市所有

・ホハフ3←三重交通サ321←三重ホハ12←中勢ハニ2←大日本ボコ2:1921年梅鉢鉄工所製:なかよし鉄道

・ホハフ7←三重交通サニ403←北勢ハフ11:1925年日本車輌製:赤門軽便鉄道保存会所有

・ホハフ8←三重交通サニ401←北勢ハフ9:1924年日本車輌製:小松市所有

その後、元尾小屋駅構内に展示保存されていた5号機、キハ3、ハフ1は、尾小屋町の尾小屋鉱山資料館の施設「ポッポ汽車展示館」に移設展示され、現在は「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」の手で維持されています。