軽便鉄道の魅力は何と言っても現実離れした凸凹編成です。ちょっと大きめの気動車がマッチ箱客車を何両も牽引して走る姿に、なぜか癒しを感じます。
実は、私は軽便世代ではありません。中学1年生の頃に尾小屋鉄道が廃止となり、接することが出来た現役時代の軽便は下津井電鉄と近鉄ナローだけです。それ故に、模型で過去を再現するしかありませんでした。
1.過去にありそうなDT編成
私が軽便車両の模型を作り始めたのは中学1年生の頃です。最初に製作したのはケント紙を使った西武旧山口線(元井笠鉄道)の客車でしたが、強度が足らず、続いて工作用の厚紙を併用して九十九里鉄道のケハ111を作りました。このケハ111は「とれいん誌」8号に掲載された堤一郎さんの形式図を基に作成しました。その後ペーパー製で何両か作っては壊しを繰り返し、ある時期からプラ板製になりました。それは、アロンアルファに出会ったからです。それまでプラ板の接着はセメダインを薄めて使用していましたが、やはり薄板はどうしても反ってしまい、プラ板工作は難儀でしたが、プラ板を溶かさないアロンアルファは補強や穴埋めにも使用でき非常に優れものでした。
2.過去にありそうなDT編成
高校時代にはほぼ100%プラ板車体となり、やがてプラ板と真鍮材のハイブリッドに移行して行きます。時は流れて軽便模型も乗工社などからどんどん新製品が発売されました。しかし、ここで悩んだのが縮尺です。乗工社の模型は1/87ですが、私の模型は1/80です。このわずかな違いが既製品に頼れない新たな葛藤となりました。
3.Tフォードでは無理のあるDT編成
どういうわけか、世の中の軽便模型はことごとく1/87で製品化されて行きました。そうなると製品には頼れず、我が道を行くしかありません。今回登場の模型車両は、そんな事情から自作されたものです。
4.Tフォードでは無理のあるDT編成
なぜ1/80にこだわるのか、その理由は、当時スタンダードのHO模型が1/80だったからです。当時の私はスタンダードのHO模型を買うお金もなく、自作する勇気もありませんでしたが、いずれは、同じレイアウト上で、スタンダードと軽便を並べて見たいという夢がありました。そんなわけで、いまだに私は異端派の1/80です。
5.2軸客車:ハフ1
それでは、気動車以外の軽便模型も少々ご紹介します。以下すべてプラ板製の1/80です。
このオープンデッキの2軸客車は、標記無しですがハフ1と称します。尾小屋鉄道ハフ1の様な模型が欲しくなって自作しましたが手を抜いて1段窓です。足回りは、これも手抜きでリマ製Nゲージの貨車です。今は亡き、広島模型のジャンク市で数百円程で購入した記憶がありますが、そんなことは黙っていればわかりません。ちなみにこの車両で一番高価なパーツはKDカプラです。
6.ボギー有蓋貨車:ワフ1
このボギーの有蓋貨車も全くのフリーモデルです。標記も手すりもなく未完成品ですが、全く同じ車両がもう1両あります。しかし、もう1両は経年劣化でデッキが破損してしまい、現在お蔵入りです。この貨車も製造から39年ほど経過していますが、プラ板もそろそろ劣化している様です。せめて、私が生きているうちは健在でいて欲しいものです。そしてこの車両の台車ですが、KATOのTR49です。車体の材料代は100円くらいでしょうか?そんな車両に高価なアーチバー台車はもったいないのでけちった結果ですが、違和感もなく現在に至ります。しかし、カプラは当初アーノルドタイプでしたが、他車との兼ね合いで仕方なくKD化しました。
7.ボギー客車:ハフ2の形式図
気動車とコンビを組む客車が欲しくなり、客車なので1/87のキットでも買ってしまおうかと妥協しかけましたが、お金がありませんでした。客車とは言え、真鍮製のキットは高価でした。よって、自作です。 かつて、井笠の密閉タイプの客車を製作しましたが、どうもイメージに合わず、頸城のホハフをアレンジしてみました。
8.ボギー客車:ハフ2
この客車は気動車の建前、台車は「だるまや」の既製品を使用しました。あと一歩、手すりと標記が付いていませんが、この模型も38年前の作品です。
9.ボギー客車:1・2等合造 ロハフ3
もう1両、ハフ2と同時製作したのが1・2等合造のロハフ3です。本当はハフ3としてハフ2と同じ車体で作る計画でしたが、ちょっとした遊び心でこんな車両になってしまいました。
今回は画像がありませんが、この他にも様々な理由でお蔵入りしている車両がありますが、それらの復活は?