ローカル線の回顧録

1970年代後半から2000年頃までのローカル線の記録

第700話 番外編:40年前の軽便模型を顧みる

30~40年程前のローカル私鉄の実態をダラダラとお伝えしておりますが、第700話まで来ました。当ブログでは1970年代後半から年代順に各地のローカル線をランダムに投稿して来ましたが、最近のブログでは1992年頃が中心となり、段々近年の状況に近づいてきた感じです。これから先は、若い年代の方にもお馴染みの内容が増えて来ると思いますが、反面、本題のローカル線の数も減少し、ネタに困窮しそうです。よって、新車ネタも多くなると思いますが、その分、本音をいっぱい吐きそうです。引き続き、ご笑読頂ければと思っています。

さて、今回も節目の番外編です。今回は私が若い頃に製作した軽便鉄道の、車両模型の話題です。 

 

1.軽便気動車の1/80模型

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これらの模型は、かれこれ40年ほど前に製作したプラ板製の軽便気動車です。もう20年以上も実家に放置されていましたが、久々に引っ張り出してみました。

 最近では、マイナーな軽便車両も多数製品化され、しかも細密で出来が良いので、もうこんなプラ板を切って作った模型など出る幕などありませんが、40数年前は、軽便気動車の模型と言えば、「ひかり模型」から尾小屋鉄道キハ1の真鍮キットが発売されていた程度でした。しかし、当時貧乏学生だった私にはキットを買うお金もなく、指をくわえて見ているだけでした。ちょうどその頃、1970年代の「とれいん」誌には、堤一郎さんの軽便鉄道のプロトタイプガイドが連載されており、軽便車両の1/80の形式図が掲載されていました。その形式図に触発されて模型化しようと、当初はペーパー製で挑戦し、何度も作っては潰しを繰り返し、やがてプラ板に進化して、ようやくまともに出来たのがこの2両でした。

 

2.キハニ7

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 このピンク色の気動車は、別府鉄道キハ2を意識して軽便サイズにアレンジしたものでまったくのフリー作品ですが、側面の窓配置は片上鉄道キハニ1001をベースにしています。これは1975年の「とれいん」誌創刊号に堤一郎さんが描かれた形式図を基にしたものです。

 

3.キハニ7

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 車体はt0.3のプラ板、屋根はバルサ材で、荷台の柵、手すり、雨樋、ウインドシル・ヘッダ、二段窓の横桟、カプラー胴受などは真鍮材です。動力装置はモータを床上配置とし、ボールジョイントと推進軸で片台車駆動としましたが、現在はモーターが付いていません。床下機器は乗工社気動車用エンジンとラジエターを付けましたが、まだ未完成のままです。

 

4.キハニ7

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 車体色は、本来であれば「別府ピンク」としたいところですが、調合するのが面倒だったので、既成品のレベルカラー半光沢ピンクと横須賀線クリームですが、当時はマイナーな色の缶スプレーが入手できなかったので手塗りです。車号は手持ちの「だるまや」切り抜き文字から「7」を貼り付けました。台車は「ひかり模型」の気動車用菱枠型台車です。

 

5.キハニ3

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 焦げ茶色の気動車は、どこかに居たような日車タイプの車両ですが、これも「とれいん」誌4号に堤一郎さんが描かれた形式図を基に製作したものです。堤さんの記事によると、この車両は実在しない車両ですが、仙北鉄道キハ2404のアレンジで、荷物室合造のキハニ2407とのことです。

 

6.キハニ3模型化形式図

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 ちなみに、この車両の模型化にあたり、模型のイメージで形式図を上図の様に、トレースし直しました。ちなみに私の製作した模型は全て縮尺1/80です。

 

7.キハニ3

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 この車両も、基本的にキハニ7と同様な作りになっていますが、動力装置は「ひかり模型」の動力ユニットで、モーターをキドマイティーⅢに変更しました。塗装は缶スプレーを使用したので車号まで塗りつ潰してしまいましたが、そのままです。

この2両の反省点は、ウインドシル・ヘッダにリベットがないことです。軽便気動車も晩年の頃は外板更新時に溶接構造となり、リベットがない車両もありましたが、やはりリベットが有ると無いでは大違いです。