モーターカーの入換作業を見ていたらNo6がすぐに戻って来ました。戻りは単機回送です。金田まで所要15分程です。貨車の受け渡しを含めても往復1時間もかかりません。モーターカーは慌てて撤退です。
1.No6 (田川事業所:1995年8月)
ここで、当時の保有機関車の車歴を記します。
・金見No3:1969年日立製作所製
・金見No4:1976年日立製作所製
この他にも、入換用のDLが何台か在籍していた様です。
2.No6 (田川事業所:1995年8月)
その後、金見専用鉄道は親会社である三井鉱山のセメント事業撤退により、田川事業所は鉱山も含めて麻生セメントに買収されました。しかし、金見専用鉄道は買ってもらえず、2004年に廃止となりました。大変残念です。
3.ヤワW1-5(保存車) (東谷工場:1995年8月)
さて、この頃の筑豊地方には日本セメント香春工場や三菱鉱業セメント東谷工場などの専用線が存在しました。続いては、三菱鉱業セメント東谷工場です。こちらは日田彦山線の石原町駅から分岐する専用線がありました。途中、住友セメント小倉工場にも分岐していましたが、この時点では線路はあるものの車両は見当たらず、営業していたのか不明でした。
4.ヤワW1-5(保存車) (東谷工場:1995年8月)
しかし、並行する日田彦山線の車窓からDLらしきモノを発見したので、最寄りの呼野で下車して三菱鉱業セメント東谷工場へ向かいました。そのDLらしきモノは、正しくDLでしたが、写真の保存車でした。
5.ヤワW1-5(保存車) (東谷工場:1995年8月)
ロッド駆動のキュートなDLでした。このDLは、東谷工場で入換機として活躍した日通八幡所有車の25t機(注1)でした。岩堀春夫さんの「鉄道番外録1」によると、同型車がもう1両あったそうですが、この専用線はこの時点ですでに使用されていなかった様で、他に車両は見当たりませんでした。
(注1)東谷工場25t機の車歴
・ヤワW1-5(日通八幡所有車):1958年三菱重工製
6.ヤワW1-5(保存車) (東谷工場:1995年8月)
本当は、もっとゆっくりと専用線の調査をしたかったのですが時間がなく、日本セメント香春工場へは行けませんでした。そして、何よりも筑豊は遠く、これが最後の専用線巡りとなりました。